サツマイモ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 00:49 UTC 版)
産地
世界
2019年のサツマイモ生産量上位10ヶ国 | ||||
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国 | 生産量 (t) | シェア | ||
中国 | 51,793,916 | 56.4% | ||
マラウイ | 5,908,989 | 6.4% | ||
ナイジェリア | 4,145,488 | 4.5% | ||
タンザニア | 3,921,590 | 4.3% | ||
ウガンダ | 1,949,476 | 2.1% | ||
インドネシア | 1,806,339 | 2.0% | ||
エチオピア | 1,755,855 | 1.9% | ||
アンゴラ | 1,680,146 | 1.8% | ||
アメリカ合衆国 | 1,450,250 | 1.6% | ||
ベトナム | 1,402,350 | 1.5% | ||
世界計 | 91,820,929 | |||
国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した統計資料によると、2019年(令和元年)の全世界における生産量は9182万トンであり、主食にするイモ類ではジャガイモ(同3億7043万トン)、キャッサバ(同3億0356万トン)に次ぐ。生産地域は中華人民共和国に極端に集中しており、その大部分は酒類への加工用である。ただし、中華人民共和国においては転作が進んでおり、作付け面積及び生産量は減少傾向にあり、2005年までは生産量1億トンを超えていたが、2012年以降6000万トンを下回っている。その影響で、全世界での生産状況も低下傾向を示しており、2005年までは1億2000万トンから1億5000万トンの収穫量があったが、2006年約1億1000万トンを記録して以降減少し続け、近年は9000万トン程度で推移している。なお、2019年の日本の生産量は74.8万トン。
長期の保管に適していないため、自国における生産消費が大部分であり、貿易量は、世界総計で年間30万トン程度と極めて少ない[50]。主要な輸出国は、アメリカ合衆国、ベトナム、ラオス、エジプトなどで、特に米国は総輸出量の2/3程度を占めている。一方主要な輸入国は、英国、オランダ、カナダ、フランス、日本である[51]。
日本
サツマイモは、比較的痩せた土壌でも生育が可能であり、肥料流通や土壌改良が進まない中でも作付けが容易であったため、1960年代初頭には年間600万トン程度の収穫量があった[52]。しかし、1960年代から1970年代前半にかけ土壌改良等により商品価値の高い作物への転作が急激に進み、1974年には140万トンにまで減少した[52]。それからも、緩慢に減少を続け2000年代に100万トン台、2010年以降は100万トンを割る生産量となっている[52]。
- 日本における主産地
鹿児島県、茨城県、千葉県、宮崎県、徳島県が全国のトップ5県[52][53]。このうち上位4県で全国の8割を占め、とりわけ鹿児島県は全国の生産量約69万トンの3割程度を産する[52][53]。同県ではデンプン原料用や酒造原料用としての作付けも多い[54]。産地の偏在にはいくつか理由がある。まず、鹿児島県内および宮崎県南西部の多くの地域が、多くの農産物には適さないがサツマイモの栽培には適した水はけの良いシラス台地であること。また、サツマイモは可食部が地中の「芋」であるため、台風に襲われても害を受けにくいことなどが挙げられる[55]。
2022年においては、全国の総収穫量は717,000要購読契約)