コンデンサ コンデンサの概要

コンデンサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/02 23:07 UTC 版)

コンデンサ一覧
足のあるものを「リード形」、長方体のものを「チップ形」と呼ぶ
代表的なリード形電解コンデンサ

静電容量の単位はF(ファラッド)が使われる。通常使われるコンデンサは数pF - 数万μF程度であるが、電気二重層コンデンサなどでは数千Fオーバーの大容量な物もある。両端の端子に印加できる電圧(耐圧)は、2.5V - 10kV程度までさまざまである。

なお、英語では、「condenser (コンデンサ)」と言った場合、復水器などを指す。この項目で説明しているようなコンデンサを指すには「capacitor (キャパシタ)」の語が主として用いられている(ただしコンデンサマイク (condenser microphone) など、英語でも「コンデンサ」で定着しているものもある)。

歴史

1745年10月後ポメラニア英語版ポーランド語: Pomorze Tylneドイツ語: Hinterpommern)出身のエヴァルト・ゲオルク・フォン・クライストは、で持ったガラスの中に満たされた水へ高圧静電発電機導線でつなぐと電荷が蓄えられる事を発見した[1]。クライストの手と瓶の中の水が導電体として働き、かつガラス瓶が誘電体として働いたのである(当時は詳細な原理が間違って理解されていた)。クライストは、発電機を外したあとに、(ガラス瓶の中の水に浸した)導線に触ると激痛を伴う火花が起きることを見出した。彼はこのことを「フランス王国の二撃目は受けたくない ("I would not take a second shock for the kingdom of France.")」と手紙で述懐している[2]。3ヶ月後、オランダの物理学者ピーテル・ファン・ミュッセンブルークにより同様なコンデンサが発明され、クライストの物より早く発表されたことで、彼が勤務していたライデン大学に因んでライデン瓶と名付けられた。グダニスクDaniel Gralathは電荷容量を増やすため、初めていくつかの瓶を並列に結合し"battery(意 : 砲兵中隊)"を作った。

ベンジャミン・フランクリンはライデン瓶が想定されていた手と水ではなく、ガラスが電荷を蓄える効果を増している事を追試し証明した。彼はまた化学電池の組に対して(砲兵は数に比例して威力を増す様から)バッテリーの言葉を当てはめた[3][4][5]。後にライデン瓶は金属箔で瓶の外側と内側を覆い、2つの箔が放電しないよう瓶の口から2つの箔の縁までの距離をあけて作られるようになった[要出典]。最も初期のコンデンサの単位は「jar(瓶)」であり、1jarはおおよそ1nF程度である。

このようなライデン瓶や導電箔を板ガラスに対向せたより強力なコンデンサは、無線電気通信の発明により規格化された容量が要求され、また高周波への移行によりインダクタンスの低いコンデンサが必要になるまで、1900年頃まで専ら使われ続けた。コンデンサの小型化は金属箔の間に油を浸した紙のような柔軟な誘電体膜を挟み、それを巻いたり折りたたんで小さな外周器に入れたもの、すなわち油浸紙コンデンサの製造から始まった[要出典]。通常の容量球と比べ、より高い密度の電荷を蓄えられるという装置の性能から1782年アレッサンドロ・ボルタが初めてCondensatoreイタリア語で凝集器・濃縮器・圧縮機の意味)の言葉を当てはめた論文を発表した事に由来する[6]

物理学的説明

模式図

まず、物理学(電磁気学)による理学的説明からはじめる。工学的(電気・電子工学)観点からの解説や応用は後述する。

コンデンサは、誘電体によって分離された2枚の電極もしくは電極板によって構成される。

容量

コンデンサの容量 (C) は電荷 (Q) の蓄積と電極間の電圧 (V) で測定される。

国際単位系 (SI) では容量はファラドを単位とするが、ファラドは後述する電気二重層コンデンサ等を電源として利用する場合を除き通常は過大なので、マイクロファラド (µF)、またはピコファラド (pF) を用いる場合が多い。欧米ではナノファラド (nF) も用いている回路例を多く見かけるが、日本では稀である。

電極間に異なる電荷が蓄積されるとプレート間に電界が生じる。 この電界は単純な平行板コンデンサにおいて電位差V = E·dを生み出す。

なお、使用する場合の電力量W、単位ジュール)は

となる。つまり、容量1ファラドのコンデンサに10ボルトの電圧がかかっている場合、電力量は50ジュール(ワット秒)となる。したがって、この場合における定格出力50Wの電気製品が1秒間動作することになる。(これは理論値であり、実際には電圧を安定させるための回路などが必要となるため、その分電力量が減ることとなる。)


容量は電極の面積に比例、電極間の距離に反比例する。同様に誘電体の誘電率にも比例する。

平行に配置された電極板のコンデンサの容量は

[7]

である。ただしAは1つの電極板の面積、dは電極板間の距離、εは電極板間の誘電体の誘電率を表している。

以下、工学的解説や応用を述べる。


  1. ^ Henry Smith Williams (1999年3月). “A History of Science Volume II, Part VI: The Leyden Jar Discovered”. 2013年1月17日閲覧。
  2. ^ Houston, Edwin J. (1905). Electricity in Every-day Life. P. F. Collier & Son. http://books.google.com/?id=ko9BAAAAIAAJ&pg=PA71&dq=jar+%22von+Kleist%22. 
  3. ^ Isaacson, Walter (2003). Benjamin Franklin. Simon and Schuster. p. 136. ISBN 0684807610, 9780684807614. http://books.google.com/?id=oIW915dDMBwC&lpg=PA135&dq=%22benjamin%20franklin%22%20leyden%20jar&pg=PA136#v=onepage&q=. 
  4. ^ Franklin, Benjamin (1749年4月29日). “Experiments & Observations on Electricity: Letter IV to Peter Collinson (PDF)”. pp. (page 28). 2009年8月9日閲覧。
  5. ^ Morse, Robert A., Ph.D. (2004年9月). “Franklin and Electrostatics—Ben Franklin as my Lab Partner (PDF)”. Wright Center for Science Education. Tufts University. pp. (page 23). 2009年8月10日閲覧。 “After Volta’s discovery of the electrochemical cell in 1800, the term was then applied to a group of electrochemical cells”
  6. ^ “Sketch of Alessandro Volta”. The Popular Science Monthly (New York): pp. 118–119. (May–Oct 1892). http://books.google.com/books?id=eCADAAAAMBAJ&pg=PA117&source=gbs_toc_r&cad=1#v=onepage&q&f=false 
  7. ^ http://www.ttc-cmc.net/~fme/captance.html
  8. ^ セラミックコンデンサのFAQ なぜ、セラミックコンデンサは音鳴きが発生するのでしょうか?”. 村田製作所. 2016年3月7日閲覧。
  9. ^ 三洋電機株式会社の登録商標です。
  10. ^ トランジスタ技術 2004年9月号 p108, p111 - p114
  11. ^ プロードライザProadlizerは、NECトーキン株式会社の登録商標です。
  12. ^ a b NEC技報 新デカップリングデバイス「プロードライザ」の開発、量産 (PDF)”. NEC (2006年11月). 2015年4月19日閲覧。
  13. ^ プレスリリース 高速デジタル回路を安定動作させる低インピーダンス線路素子の開発について” (日本語). NEC (2003年10月20日). 2015年4月20日閲覧。
  14. ^ 品番の読み方”. 村田製作所( http://www.murata.co.jp/ ). 2016年11月3日閲覧。







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