クローラークレーン クローラークレーンの概要

クローラークレーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/12/18 07:21 UTC 版)

クレーン > 移動式クレーン > クローラークレーン
最大つり上げ能力 55トンのクローラークレーン
この機種はアウトリガーがなく無限軌道式履帯を持ったクレーンである

概要

接地面積が広く、接地圧が小さいため、大型や、地盤の柔らかい場所や勾配のきつい場所での作業に適している。その反面、走行速度が遅く、小型でもナンバー取得ができないため、公道を自走できないものが多い。現場間の移動はトラックトレーラー等で運搬する必要がある。 近年のものは、過負荷防止装置やモーメントリミッターと呼ばれる安全装置が付いており転倒しない範囲を超えそうになると警報が鳴り、そのまま操作を続けると自動停止するシステムが付いている。

大きさによる特徴

小型

小型のものは「ミニクローラークレーン」とも呼ばれ、吊り上げ荷重が4.9トン未満のものを指す。4本のアウトリガーで車体を支える姿がカニまたはクモに似ていることから、カニクレーンクモクレーンとも呼ばれている。

伸縮式ブームのものが多い。比較的大きいタイプは乗用型もあるが、ほとんどのものが後部からレバー操作で移動するタイプである。クレーン操作には小型移動式クレーンの免許が必要である。

古河ユニック前田製作所などの製造メーカーがある。用途としては、石材会社や造園業者などで主に利用される。

大型

大型のものは800トン吊りから特殊なものになると1,000トン以上のものもある。吊り上げたまま走行できる。

公道を輸送できるサイズ、質量に分解して現場で組み立てる。組み立てに別の、より小さいクレーンが必要なことが多い。

ラチスブーム(トラス構造)が採用される。また、複滑車により小さい力で巻き上げる事ができるようにしている。(代わりに巻き上げる長さは長くなり、動滑車の質量や摩擦抵抗などを除けば仕事の値は変わらない。)転倒しないよう、吊り上げる反対側にカウンターウェイトを積む。超大型のものはカウンターウェイトが別車両で、クレーンの旋回に合わせて円弧上を走行する[1]

超大型[2]
  • 出荷台数(1995年までの出荷実績)
我が国の超大型クローラクレーンの歴史は浅い。250t以上の年度別出荷台数(推定)は、1989年以前は年間5台程度であるが、1990年から1995年は出荷が伸び、特に1992年は28台出荷している。
  • 用途
発電所の建設、橋梁の架設、建築工事など。建築工事では、屋内野球場や競技場などのドーム建築、流通センターなどの低層大エリア建築に使われ、同時に複数台を使用することも多い。
  • 輸送性
超大型クローラクレーンには、吊り上げ能力の他に、組立・分解性と輸送性に優れていることが要求される。日本では道路事情により全幅、全高、全長の寸法と各ユニットの重量が制限されているため、より汎用的な輸送手段で安い経費で運べるようにユニットの構成を工夫している。
ラチスブームは、対角材をなくし、大きな断面の主ブームの中に小さな断面のジブを納められる入れ子構造に設計されたものがネスティングブームと呼ばれる。ネスティングブームを使用すれば、輸送コストが低減でき、保管スペースも半減できる。
  • 機械仕様
    • 能力---単に吊り上げ能力よりもモーメント(吊り上げ能力×作業半径)が要求されている。懐の深い作業が求められていることもあり、機械としてはこのモーメントの要求に合わせて大型化していく傾向にある。
    • 寸法諸元---超大型クローラクレーンの使用される工事現場は狭いところが多く、コンパクトな機械が要求される。機械の専有面積を決定しているのは、上部本体(旋回部)の旋回後端半径であり、旋回後端半径の短い機械が望まれている。また、地盤養生費の低減という面からもコンパクトな機械が望まれる。
    • アタッチメント---高揚程作業、懐の深い作業にラッフィングジブが用いられる。
    • 作業性---大荷重を高揚程までつり上げるため、ウインチの高速化が求められる。安全のためフリーフォールのないウインチとなってきている。
    安全装置
過負荷防止装置、巻過防止装置などがある。

製造・販売している主な会社

日本

日本国外

日本に導入されているメーカーを挙げる。

  • LIEBHERR
  • TEREX-DEMAG
  • LAMPSON

  1. ^ 『サイエンス・プレミアム』「極限のクルマ技術」(BSイレブン、2010年9月19日放送)
  2. ^ 沢井浩次 1996, p. 20-25.


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