クロロホルム クロロホルムの概要

クロロホルム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/12/24 05:41 UTC 版)

クロロホルム
構造式 分子模型
識別情報
CAS登録番号 67-66-3
KEGG C13827
特性
化学式 CHCl3
モル質量 119.4
外観 無色透明の液体
密度 1.48, 液体
相対蒸気密度 4.12
融点

−64 °C, 209 K, -83 °F

沸点

61.2 °C, 334 K, 142 °F

出典
国際化学物質安全性カード
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

歴史


その後外科手術の際の麻酔剤としての利用が、ヨーロッパで急速に広まった。しかし毒性、特に深刻な心不整脈などの原因になり易いという特徴を持ち、その犠牲者は「中毒者の突然死」と表現された。このため20世紀の初頭に、麻酔剤としての主力はジエチルエーテルへと移行した。高い治療指数と低価格、確実な麻酔維持能という特長から、発展途上国では2006年現在でもジエチルエーテルが麻酔剤として好んで用いられている。実際、エーテルの引火原因となる各種電子機器、電気メスを排除できるなら、現代でも麻酔維持にはジエチルエーテルが最も優れているといえよう。 一時期、ハロゲン系脂肪族炭化水素であるトリクロロエチレンがクロロホルムよりも安全な麻酔剤であると提案されたことがあったが、これも後に発がん性が確認された。

合成

工業的には塩素クロロメタン、もしくはメタンとを400-500℃で加熱することで得られている。この温度ではフリーラジカルハロゲン化反応が起き、メタンやクロロメタンが徐々に塩素化された化合物へと変換される。

CH4 + Cl2 → CH3Cl + HCl
CH3Cl + Cl2 → CH2Cl2 + HCl
CH2Cl2 + Cl2CHCl3 + HCl
CHCl3 + Cl2 → CCl4 + HCl

最終的にはクロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素という4種類のクロロメタン類が得られる。これらの混合物は蒸留により分離される。

最初に工業化された合成法は、アセトンもしくはエタノールと、過塩素酸ナトリウムもしくは過塩素酸カルシウムとを反応させるというものであった。アセトンを用いた場合はクロロホルムと酢酸ナトリウム酢酸カルシウム、エタノールを用いた場合はギ酸ナトリウムギ酸カルシウムとの混合物が合成される。これらの混合物は蒸留により分離された。この反応はハロホルム反応として知られており、現在でもブロモホルムヨードホルムを合成する際に用いられる合成法である。

重水素化されたクロロホルムは重水素化された水酸化ナトリウム抱水クロラールとの反応により合成されるが、アルデヒドの水素原子のいくらかが重クロロホルム中に混入してしまうことがある。高い同位体純度を持つものはトリクロロアセトフェノンから合成される。

性質

常温では無色で、甘い味を有し、強く甘い芳香をもつ液体である。多くの有機化合物をよく溶解する。 酸素の存在下で比較的容易に分解され、有害ガスであるホスゲンを発生する[2]。また高温下でも分解が進行する。このため一般的な市販品には安定剤としてアルコール(主にメタノールエタノール)やアミレンが添加されている。




  1. ^ 麻酔の歴史 - 浜松医科大学麻酔・蘇生学講座
  2. ^ a b c d e f IPCS UNEP//ILO//WHO 国際化学物質簡潔評価文書 No.58 クロロホルム (PDF)”. 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 (2009年). 2012年1月14日閲覧。


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