クレーム クレーマーの台頭

クレーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/27 15:42 UTC 版)

クレーマーの台頭

クレームをつける消費者を「クレーマー」と呼ぶ。日本では、しつこくクレームをつけたり、言いがかりと思われるようなクレームをつけたりする消費者[15]のことのみをクレーマーと呼ぶこともある。クレーマーは、2000年代後半頃に徐々に注目を浴びるようになった。背景には、以下の要因が指摘されている。

クレーム手段の獲得

インターネット常時接続)、携帯電話の発達により、消費者の権利として「モノ言う消費者」の場と手段が広がった[16]

常時接続が地方に普及する前の時期では、消費者が企業への苦情は企業が設けたサポートセンターなどの電話のみで、なおかつフリーダイヤルは、ほぼ皆無であった。そのため、企業が用意した型に沿ってしか対応をしてもらえず、また苦情を言うためのコスト(時間、通話料金、郵便料金)が高く、他の消費者へ苦情の内容が伝わる事が出来無かった(フリーダイヤルであっても、通話に時間を要することは変わらない)。

しかし、ブロードバンドインターネット接続の普及により、消費者苦情の環境が変わる。電子メールは、電話よりも遙かに効率的に、企業の消費者対応部門や企業幹部へ多数の苦情を送りつけることができ、動画共有サイトブログは、多くの消費者へ苦情の内容を豊富に伝えた。特に文字と違い、動画や写真を添付すればインパクトが強く、強力な武器となった。携帯電話の発達や音声通話定額制は、場所を選ばずに情報を集め、苦情を言うことが出来る様になった。

意識の問題

感情の表出と抑制は文化規範によって違いがあるが、目上の相手には自己主張を控えるという方略が取られやすい[17]。日本で1990年代より増加したクレーマー問題には、消費者保護を目的とした法律や制度の改正によって発生したサービス提供者と享受者の上下意識の変化や、「提供者に対して怒りを表明しても良い」という新たな感情規則が形成されたことが背景にあると考えられる[17]

なお、クレーマー問題に対しては苦情を述べる側がクローズアップされ、それらのケースでも事件に発展するなど深刻化している場合では報道においてもえてして企業側に同情的な内容に落ち着きがちである。その一方、インターネット上のサービスの発達は、企業側の従業員(パートアルバイトなど末端の接客担当者を含む)が常軌を逸した客を揶揄する形での言説を広めてしまうケースも見られる。これはことクレーム問題だけに限定されない傾向ではあるが、2000年代に入ってはブログTwitterなどで不用意に書き込まれた内容や写真などから炎上したケースもみられる。




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  1. ^ a b c 第16次国民生活審議会 消費者政策部会中間報告”. 2007年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月24日閲覧。
  2. ^ 報道発表資料・景品表示法(違反事件関係)”. 公正取引委員会. 2009年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月4日閲覧。
  3. ^ 広告と消費者トラブルに関する調査結果について”. 東京都. 2009年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月4日閲覧。
  4. ^ 広告と消費者トラブルに関する調査研究報告書 (PDF)”. 東京都. 2011年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月24日閲覧。
  5. ^ 広告を見る目をやしなおう!”. 東京都. 2012年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月18日閲覧。
  6. ^ 「CHINTAI NET」などに"おとり"物件情報掲載、エイブルに排除命令 - 公取委”. マイコミジャーナル (2008年6月18日). 2010年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月24日閲覧。
  7. ^ ソフトバンクがシステムトラブルを繰り返す理由【コラム】”. 日本経済新聞社 (2006年11月7日). 2009年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月10日閲覧。
  8. ^ a b ソフトバンクに苦情相次ぐ 「無料」がいきなり2割自己負担”. J-CAST (2008年8月22日). 2009年10月18日閲覧。
  9. ^ a b アマゾン「自分がほしい物リスト」 全部公開されて大騒動”. J-CAST (2008年3月12日). 2009年1月11日閲覧。
  10. ^ 樋口健夫 『図解仕事ができる人のノート術』 東洋経済新報社。ISBN 9784492092217
  11. ^ NHK・FM「お昼前のお知らせ」~携帯電話の契約トラブル”. 神奈川県. 2009年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月10日閲覧。
  12. ^ a b 料金プラン、ホントにわからない! ソフトバンク携帯に苦情”. ライブドア (2007年5月13日). 2009年1月10日閲覧。
  13. ^ Kuppens, P.; Van Mechelen, I. (2007). Interactional appraisal models for the anger appraisals of threatened self-esteem, other-blame, and frustration. Cognition & Emotion. doi:10.1080/02699930600562193. http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02699930600562193 2017年7月23日閲覧。. 
  14. ^ a b c 吉田 2012, pp. 96-102.
  15. ^ クレーマー - コトバンク
  16. ^ 怒れる消費者たちの逆襲 痛烈なブログや動画による苦情に企業はどう対応する?”. 日経ビジネスオンライン (2008年3月3日). 2008年5月1日閲覧。
  17. ^ a b 吉田 2012, pp. 111-112.
  18. ^ 急増するクレームストーカー 謝罪要求口実に女性店員につきまとい なぜ対応難しい?”. ビジネスジャーナル (2015年2月13日). 2015年7月9日閲覧。
  19. ^ a b 川田茂雄 『社長をだせ!』 宝島社ISBN 4-7966-3474-6
  20. ^ アソシアコーポレーションを誹謗・中傷する心なき Webサイトやブログの存在について”. アソシアコーポレーション. 2013年2月4日閲覧。
  21. ^ 「東京・向島の刺殺:牛丼店長「クレームしつこく殺した」--会社員殺害容疑で逮捕」『毎日新聞』2004年12月12日付朝刊、第31面。
  22. ^ a b 「東京・墨田区の刺殺事件 容疑の牛丼店長逮捕 『弁当が横、しつこく苦情』」『読売新聞』2004年12月12日付朝刊、第39面。
  23. ^ 「クレーム客殺害事件 元牛丼店店長に懲役10年判決/東京地裁」『読売新聞』2005年6月23日付夕刊、第23面。
  24. ^ 大阪市「クレーマー」に勝訴…業務妨害を認定 大阪地裁”. 毎日新聞 (2016年7月19日). 2016年7月31日閲覧。
  25. ^ 息子がけが「慰謝料払え」 教諭への恐喝未遂容疑で父親逮捕 三重”. 産経ニュース (2010年6月17日). 2010年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月15日閲覧。
  26. ^ 偽クレーム電話:「パンに髪」45歳女を詐欺容疑で逮捕”. 毎日新聞 (2015年9月26日). 2015年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月27日閲覧。







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