ギルバート・デュランダル ギルバート・デュランダルの概要

ギルバート・デュランダル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 05:50 UTC 版)

ギルバート・デュランダル
機動戦士ガンダムSEEDシリーズのキャラクター
登場(最初) 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
作者 平井久司(キャラクターデザイン)
福田己津央(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』監督)
両澤千晶(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』シリーズ構成)
声優 池田秀一
プロフィール
誕生日 C.E.41年11月19日(蠍座)[1]
年齢 32歳[1]
性別
種類 コーディネイター(第2世代)
身長 183cm[1]
体重 69kg[1]
血液型 AB型[1]
肩書き プラント最高評議会議長
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担当声優池田秀一

キャラクター概要

アニメーション作品『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第1話から登場。また、『ガンダムSEED』シリーズや『ガンダム』シリーズの各種メディアミックスにも登場する。

『SEED DESTINY』のシリーズ構成を担当した両澤千晶は、デュランダルのモデルとして初期のアドルフ・ヒトラーを挙げている[2]

設定における人物像

ユニウスセブンにて結ばれたユニウス条約がプラント側にやや不利な内容だった責任をとってカナーバ政権が退陣したため、代わって、プラント最高評議会議長に就任する。シーゲル・クラインの路線を継承しナチュラルとの融和策を採っている[3]。『スペシャルエディション2 それぞれの剣』においては元々の専門は遺伝子科学者であった事が語られており、スタッフインタビューにおいてはかつてはパトリック・ザラの推し進める遺伝子研究(コーディネイターの出生率低下対策)に従事していたとされる[4]。また、ドラマCDにおいては議長就任前は優秀な遺伝子学者であり、デュランダル博士と呼ばれていた事が語られている[5]

作中の描写

かつてタリア・グラディスとは恋人関係にあったが、第二世代コーディネイターである二人は互いの遺伝子配列を調べた結果、デュランダルとタリアの組み合わせでは第三世代コーディネイター=子供を生み出せないことが発覚。婚姻統制を実施するプラントの法律では、子供を生み出せない者同士による結婚は許可されていない。デュランダルは次世代が残せなくともかまわないと共に暮らすことを望んでいたが、タリア自身が「自分は子供がほしい」と切望していたため、デュランダルが身を引く形で別れることになった。ただし、その後になっても互いに情を通わせている[6]

加えて、友人であったラウ・ル・クルーゼが自らの出生と命の短さ、人の欲望の醜さに絶望し、世界を破滅させようとしたこともあり[注 1]、深い落胆を味わったデュランダルは、「願いが叶わぬ」という悲劇を回避するため、人間は「初めから正しい道」を選んでいるべきだと考えるようになる。すなわち、人は人生の最初に予め、不成功や挫折、無用な争いやかなう可能性の低い目標への努力といったリスクが無い分相応の進路(=運命)を与えられていたほうがよい、と考えるに至ったのである。そしてその考えに基づき、遺伝子工学による優生学[7]社会システム「デスティニープラン」を構想する。

アーモリーワンにおいて、オーブ代表カガリ・ユラ・アスハと秘密裏に会談中、地球連合軍ファントムペインの襲撃を受け、3機のセカンドステージシリーズMSを強奪される[8]。宇宙戦艦ミネルバは避難していたデュランダルを乗せたままファントムペイン母艦ガーティー・ルーを追撃する[9]ユニウスセブン落下テロ事件の際、ミネルバが主砲によるユニウスセブン破壊を試みるにあたり、ボルテールに退避した[注 2]。その後、アスランを説得してザフト軍に復帰させ、FAITHに任命し、セイバーを与えた。また、開戦後には人心掌握を目論み、ラクス・クラインの替え玉としてミーア・キャンベルを用意する[10]

ガルナハン攻略戦後、ミネルバのパイロット達と会談し、戦果を褒め称え、この戦争の黒幕としてロゴスの存在を示唆する。ベルリンでのザフト軍と地球連合軍の衝突が終結した後、デュランダルは世界に向け演説を行い、戦争の元凶としてロゴスを糾弾し、その構成員の情報を全世界に流し、対ロゴス姿勢を表明して世論を味方につけた[注 3]。ベルリンでのデストロイの阻止にあたり、アークエンジェル所属のフリーダムがザフト軍と共闘したが、プロパガンダでフリーダムの活躍を、映像の改竄によって隠蔽している。

エンジェルダウン作戦では、ミネルバにアークエンジェル討伐を命じ、アークエンジェルは撃ちもらしたもののフリーダムを撃破することに成功する。しかしこの事は、アスランの苦悩を深めていくと共に、デュランダルに対する反発を抱かせる結果となった。

シン・アスカに、これまでの功績を称えてデスティニーを、アスランにレジェンドを預ける。しかしレイ・ザ・バレルからアスランの近況の報告を受け、彼を見限りレイに処遇を一任したが、メイリンの協力によりアスランはザフト軍を再び脱走した。アスランとメイリンの撃墜許可をレイから求められた事で、デュランダルはそれを許可、結果的にアスランをシンが撃墜する。以後デュランダルは、シンの個人的な功績を認めると同時に彼をFAITHに任命するなど、徐々に自分の影響下に置くようになった。

ロード・ジブリールをオーブが匿っている事を知ったデュランダルは、ジブリール討伐を名目にオーブ侵攻を決意し、ミネルバにそれを命じるも、アークエンジェルの介入により混乱が生じ、ジブリールが逃亡したことによりタリアの決断でミネルバは撤退する。後に自身への反論の演説を行ったカガリの演説の対抗として、ラクスを演じるミーア・キャンベルに反オーブの演説をさせるが、宇宙にいたと思っていた本物のラクスがオーブの放送に出演した事に驚きを隠すことが出来なかった。この後、ミーアにラクスを演じさせていた事実についての弁明の演説はしなかったものの、ミーアの存在は不要と見なし、彼女を月のコペルニクスに幽閉同然の生活を強いている。

レクイエム攻防戦では自らも戦場に赴き指揮を執り、ザフトの戦力の殆どを召集する事でレクイエムの第二射が撃たれる寸前でのジブリールの討伐に成功する。攻防戦後、本物のラクスが乗艦しているアークエンジェルがコペルニクスに辿り着いた事で、ミーアの監視を任せていたサラにラクスの暗殺を命令、ラクス・クライン暗殺未遂事件を引き起こす[7]。邪魔になったミーアもろとも抹殺する事で、ラクスの影武者に関する事実をうやむやにしようとするが、ミーアがラクスを庇い命を落とした事で、ラクスの暗殺は失敗に終わった。

その後、秘密裏に行っていたレクイエムの修理が完了した事で、宇宙要塞メサイアにてデスティニープランを全世界に提唱し遺伝子による統制社会を宣言。その全貌が明かされるまでは保留の姿勢をとる国が多い中でスカンジナビア王国、そしてカガリが政権を奪回した事で国の方針が大きく変化していたオーブが拒否の立場を表明し、防衛体制を整える。これに対し、話し合いに見せかけて軍事的攻撃姿勢を見せた大西洋連邦のジョセフ・コープランド大統領をアルザッヘル月基地諸共抹殺した。これを受けたオーブは防衛のためにアークエンジェルを中心とした艦隊を派遣する。デュランダルはレクイエムの照準をオーブに合わせつつ、ザフト軍を召集してアークエンジェル・オーブ軍を迎撃した。

しかし、アークエンジェル・オーブ軍、そして一部のクライン派ザフト軍・地球連合軍を中核とした反抗勢力により、ザフト軍の戦力は次々と突破され、更にはザフト軍ジュール隊がデュランダルのやり方に疑問を持ったことで離反し、レクイエムの破壊を許してしまう。崩壊寸前のメサイアに独りで残り、キラと人類の未来について言い争うが、互いに引き金を引こうとしたその瞬間、キラの言葉を聞いて明日を求めたレイに撃たれ、致命傷を負った。デュランダルは駆け付けたタリアに抱かれながら、遺伝子的にクルーゼと同一人物であったはずのレイの取った正反対の行動に満足そうに3人で爆炎の中に消え、メサイアと運命を共にした。

コミックボンボン版』では、キラと対峙する場面が無く、搭乗機のレジェンドが戦闘不能となり、崩壊寸前のメサイアに帰還したレイに労いの声をかけながら、メサイアと運命を共にした。また、レクイエムの存在について、かなり早い段階から知っていたような描き方をされている。

機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』においては声のみ登場。


注釈

  1. ^ コミック版では世界を滅ぼそうとしたクルーゼと正反対の考えを持っていた。
  2. ^ このテロの援助はデュランダルも察知していたが、黙認していた[10]
  3. ^ オーブ連合首長国首脳部はこれについて「ロゴスという魔女狩り」と述べている。
  4. ^ 「スペシャルエディション2 それぞれの剣」では、デュランダルがシンのSEEDの力を予め把握していたことを示唆した場面が存在する。
  5. ^ 事実、本作と前作である『K』の2作で共演している『神魂合体ゴーダンナー!!』の猿渡ゴオは、『K』ではデュランダルに対し嫌悪感を抱いているが、本作ではラビッドシンドロームを治療してもらったこともあってか強い信頼を持っている。一方で、タリアとアスランはその手回しの良さとラクス暗殺未遂などの事件により、表立っては批判しないもののデュランダルの行動に疑念を抱いていた。

出典

  1. ^ a b c d e 『公式ガイドブック3 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 誓いの宇宙』角川書店、2005年12月、22頁。(ISBN 978-4048539272)
  2. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY オフィシャルファイル フェイズ02』講談社、2005年11月、44-45頁。(ISBN 978-4063671612)
  3. ^ 機動戦士ガンダムSEED DESTINY公式 キャラクター紹介 2020年9月アーカイブ
  4. ^ アニメディア誌2005年11月号 9頁 特殊設定・森田繁が語るところによる。
  5. ^ 機動戦士ガンダムSEED DESTINY SUIT CD Vol.6 シン・アスカ×デスティニー」ビクターエンタテインメント 2005年6月発売
  6. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第5話
  7. ^ a b 『データコレクション機動戦士ガンダムSEED Destiny 下巻』メディアワークス 2007年11月15日 72頁。(ISBN 978-4840240871)
  8. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第1話
  9. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第3話
  10. ^ a b メディアワークス「電撃データコレクション 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 上巻」(ISBN 978-4-8402-4058-1) 68頁参照


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