キャンピングトレーラー キャンピングトレーラーの概要

キャンピングトレーラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/11 06:38 UTC 版)

キャンピングトレーラーの一例
ドイツ・エイフェルラント社製
1966 エアストリーム Overlander International

概要

自走装置を持たず、他の自走車両にけん引されるタイプのキャンピングカーである。欧米では旅行手段の一つとして定着しており、日本と比べ圧倒的に登録数が多い。

以下に、日本では一般的なキャンピングカーであるキャブコンバージョンとの違いを述べる。

利点

広さ
一般的なキャブコンバージョンと比較して、遥かに車室が広い。普及価格帯のキャブコンバージョンで2つ以上のリビングセットを持つ車両はほぼ皆無だが、キャンピングトレーラーでは一般的である。ベッドの広さもトレーラーの方が広い場合が多い。
設備
一部架装(エアコンなど)を除き、トレーラーの方が良い場合が多い。キャブコンバージョンでは広さの都合で犠牲にされる設備が、トレーラーには当てはまらない場合が多い。窓についてはすべて二重窓である場合が多く、結露を起こしにくい。
価格
圧倒的に安価であるケースが多い。トレーラーと同じ広さ、同じ設備のキャブコンバージョンは、3倍以上の価格である場合が多い。
耐久性が高い
外装がアルミ製である場合が多く、FRP製が多いキャブコンバージョンと比較して耐候性が高い。
その他
キャブコンバージョンの多くは、日常生活に使用することは困難であるケースが多く、別途、乗用車を用意するケースが多い。トレーラーは使用するときのみけん引すればよく、イニシャルコストランニングコスト双方で、安価になる。自動車保険料も安価であるケースが多い(車両保険を除く)。

欠点

連結時の車長が長い
けん引するトラクタの全長が足されるため、一般にキャブコンバージョンの全長よりも長くなる。このため、けん引時に駐車場を確保しにくくなる問題や右左折時の内輪差などが発生する。カーフェリーの料金も高くなるケースが多い。
走行中には乗車できない
キャブコンバージョンと違い、走行中には乗車できない(詳しくは後述)。
高速道料金
ネクスコが管理する高速自動車国道等においてはキャブコンバージョンやバスコンバージョンは、ナンバープレートが改造前の種車と同じ登録であれば、車体の大きさを問わず種車と同じ料金で走行する事が可能である。元が3/4/5/7ナンバーであれば普通車料金となる。一方キャンピングトレーラーの場合、牽引車が普通乗用や小型貨物車でトレーラ側が1軸の場合中型車料金である。軽自動車にて車軸1軸のトレーラーをけん引する場合は普通車料金となり、普通貨物車や普通車に車軸2軸のトレーラをけん引する場合大型車料金となる。また首都高速道路、その他有料道路により取り決めが異なる場合がある。
その他
グレータンク(汚物を含まない生活排水用のタンク)を搭載しないケースが多い。
エアコンや発電機を標準的に搭載する場合が少ない。トラクタ側よりの走行充電を含む外部電力、或いはソーラーパネル、ポータブルバッテリーを装着する事によるオフグリッド化が求められる。

制動装置

牽引時短距離で停止するためにはトレーラーの制動も必要となるが、トレーラーの制動装置には、トラクターからの指令方式で大きく分けて3つの方式がある。主制動装置のほかに、駐車用の制動装置も備える。

ブレーキ無し
トラクターの主制動装置だけに頼る制動方式で、日本では総重量750kg以下のライトトレーラーのみ許可される方式。この場合、トレーラーの総重量はトラクター重量の半分以下であることが条件になっている。ボートバイクなど比較的軽量な物を運ぶトレーラーに多くみられる。ヨーロッパ製のトレーラーでは、軽量な小型車での牽引を想定していることから、安全上ブレーキ無しは少ない。
慣性ブレーキ式
ヨーロッパ製トレーラーで主流の制動方式で、トラクターが制動をかけ減速するとき、トレーラーがトラクターを押す力が発生し、その押す力によりトレーラーの車輪にブレーキをかける。駐車制動装置と主制動装置は同じ制動装置であることが多い。
制動方式にはテコの原理で慣性そのものを制動力とする方式と、独立したブレーキシステムを作動させる方式とが存在する。
電磁ブレーキ式
トレーラーの電磁ブレーキをトラクター側よりコントロールする。運転席でトレーラーのブレーキの利き具合を容易に調整できる。指令方式・ブレーキの機械的構造には数種類ある。発電ブレーキも存在する。



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