カワラヨモギ カワラヨモギの概要

カワラヨモギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 20:58 UTC 版)

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カワラヨモギ
山形県庄内地方 2012年9月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asterdiae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
: ヨモギ属 Artemisia
: カワラヨモギ A. capillaris
学名
Artemisia capillaris Thunb.
和名
カワラヨモギ(河原蓬)

古くは平安時代の辞書である『和名類聚抄』(10世紀前半成立)巻20「草類」の項目で、和名として、「加波良與毛木(カワラヨモギ)」が記述される。

特徴

をつけないで先にロゼット状にを叢生(そうせい)させる短茎と、花をつける長い花茎がある。

短茎の葉は長さ2-3cmになる葉柄があり、葉身は2回羽状に全裂し、裂片の幅は0.3-2mmと糸状になる。葉の両面に密に灰白色の絹毛が生え、全体に白っぽく見える。ふつう絹毛が密生するが、ときにやや無毛となる場合がある。

花茎は高さ30-100cmになり、よく分枝する。花茎につく葉は、長さ1.5-3(-9)cm、幅1-7cm、1-2回羽状に全裂し、裂片の幅は0.3mmと細く糸状になる。ふつう無毛であるが、ときに両面に絹毛がある。

花期は9-10月。頭花は大きな円錐花序に多数、密につける。頭花は長さ1.5-2mm、幅1.5-2mmの球形または卵形で、舌状花がなく筒状花のみで構成される。総苞片は3-4列で覆瓦状に並び、外片は小さく卵形になる。果実痩果になり、長楕円形で長さは0.8mmになる。

分布と生育環境

日本では、本州、四国、九州、琉球に分布し、海岸や川岸の砂地に生育する。川岸に生育するものは、海岸のものより背丈が高く、毛が少ない。世界では、朝鮮、中国、ネパール、フィリピンに分布する。

本種の根に、ハマウツボ科ハマウツボ寄生することがある。

利用

漢方では「インチンコウ(茵蔯蒿)」として用いられる。薬用部位は頭花。成分として、クマリン類のscoparone(スコパロン)、クロモン類のcapillarisin、フラボノイド類のcirsilineol、cirsimaritin、rhamnocitrinなどを含む。用途として、消炎利胆、解熱、利尿などを目標に、黄疸、肝炎、胆嚢炎などに用いられる。漢方処方には、茵陳蒿湯、茵陳五苓散がある。また、capillarisin、scoparoneなどは各種動物で胆汁分泌促進作用を示す。[2]


  1. ^ https://ainu-web4.placo.net/siror/dictionary/?1141331860&ca=&os=10&kw=
  2. ^ 竹田 忠紘; 高橋 邦夫; 斉藤 和季; 小林 義典 (2017). 第6版 天然医薬資源学. 廣川書店 


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