カラシナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/30 02:57 UTC 版)
カラシナ | ||||||||||||||||||||||||
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カラシナの図譜(1897年)
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Brassica juncea var. cernua Jorb. et Hem. | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
カラシナ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Mustard greens, Indian mustard, Chinese mustard, Leaf mustard, Oriental mustard |
別名ともされるセイヨウカラシナは、カラシナの原種である野生種が、明治期以降に帰化植物となったもの。
概要
寒さに強い冬の葉物野菜で、切れ込みのある葉にピリッとした辛みがあるのが特徴[2]。葉が縮れた「ちりめんからし菜」、葉が幅広い「わさび菜」、細い葉の「リアスカラシナ」など、多数の品種がある[2]。
クロガラシ(Brassica nigra: ゲノム構成BB, 2n = 16)とブラッシカ・ラパ(B. rapa: ゲノム構成AA, 2n = 20)の両方のゲノムを持つ複二倍体(ゲノム構成AABB, 2n = 4x = 36)で、中央アジア原産といわれる。中央アジアから中国にかけて、アブラナの交雑[1]、あるいはクロガラシとアブラナの交雑により生じた品種と考えられている[3]。
日本への伝来は弥生時代ともいわれ、平安時代である延喜年間(901年 - 923年)編纂の『本草和名』や承平年間(931年 - 938年)編纂の『和名抄』に記載がある。
また、川沿いの土手などにも野生化して生えている。高さは1 - 1.5メートル (m) 。春に開花し、アブラナに似た黄色い花を咲かせる。
辛味成分のシニグリンを含み、種子はからし粉の原料に使われる[1]。葉や茎は、漬物やお浸し、炒め物などにして食べられている[1]。カルシウム、カロテン、ビタミンなどが豊富に含まれる[2]。
栽培
中国北部で栽培されていて、日本では北海道や東北地方を中心に栽培されている[4]。耐寒性は高い作物で、発芽適温は25度前後とされる[4]。葉を食べる場合の栽培期間は約3か月ほどで、春まきで初夏に収穫する栽培法と、秋まき(晩夏)で晩秋に収穫する栽培法がある[4]。秋まきのほうが育てやすい[2]。畑に直まきして、生長に合わせて、葉が重ならないように間引きしながら育てる[2]。輪作年限は1 - 2年とされる[2]。
畑は元肥を入れてよく耕してから平らな畝を作り、筋まきで種をまく[4]。発芽したら何回かに分けて間引きしながら育て、株どうしの間を35センチメートル (cm) ほど空けるようにする[4]。間引き菜も食べられる[2]。草丈が7 - 8 cmくらいに生長したら、追肥と中耕を行う[4]。条間を中耕することで、雑草を防ぐ[2]。草丈が25 cmほどになったころが収穫適期で、間引きを兼ねて適宜、株ごと収穫する[4]。
春まきと秋まきができるが、春まきはモンシロチョウの幼虫などの食害に注意する必要がある[2]。病虫害対策として、気温が高い時期は、害虫よけのために寒冷紗でトンネルがけをしておくとよい[2]。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 16.
- ^ a b c d e f g h i j k 金子好登 2012, p. 96.
- ^ a b c 講談社編 2013, p. 121.
- ^ a b c d e f g 金子美登・野口勲監修 成美堂出版編集部編 2011, p. 128.
- ^ “漬物の製造法”. 全日本漬物協同組合連合会. 2022年4月8日閲覧。
- ^ “「野菜350g」は本当にカラダにいいの…?食生活のウソホント”. FRIDAYデジタル (2020年7月16日). 2020年11月27日閲覧。
- ^ 講談社編 2013, p. 105.
- ^ 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 96.
- ^ 在来野菜イラカブ復活へ夕刊デイリーWeb(2017年1月25日)2018年9月27日閲覧。
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