オフィチーネ・パネライ オフィチーネ・パネライの概要

オフィチーネ・パネライ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/03/21 09:36 UTC 版)

オフィチーネ パネライ
Officine Panerai
本店所在地 イタリアの旗 イタリア
設立 1860年
業種 その他製品
事業内容 高級時計
関係する人物 ジョヴァンニ・パネライ 創業者
外部リンク www.panerai.com
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パネライ製軍用腕時計

1860年にジョヴァンニ・パネライ(Giovanni Panerai1825年 - 1897年)によってフィレンツェに設立された精密機器メーカーであり、現在でも温度計、湿度計、気圧計、クロノメーターなどを生産している。このクロノメーターについてメーカーは公式ウェブサイトにマリン・クロノメーター(Cronometro Da Marina )と書いているが、実際にはボード・クロノメーターである。

イタリア海軍向けダイバーズウォッチ

精密機器納入業者であった縁でイタリア海軍より依頼を受け、パネライ一族が経営していた「スイス時計店」(Orologeria Svizzera )が当時代理店だった縁でロレックスから防水ケースのノウハウやムーブメントの供与を仰ぎ、特殊潜水部隊のために軍事用ダイバーズウォッチ「ラジオミール」を1936年試作し1938年製品化した。名称の由来は1910年に自社開発した夜光塗料ラジオミールを使用したことによる。潜水服の上から装着できるようベルトは長く、視認性を保つためケースはφ47mmもある。第二次大戦中、放射線物質であるラジオミールに代わり新たにルミノールが開発され、それを搭載したモデルが納入された。特徴は9時位置の右側にスモールセコンドがある点である。また当初は100m防水であったが、大型のリューズガードを装備するようになり、これにリューズを押さえるレバーを取り付けることによってリューズの密閉度を上げ、200m防水を達成した。このリューズガードとレバーは現在も続くデザインの特徴となった。

ムーブメントは1940年代にアンジェラス製に変更された。

パネライはアレクサンドリア港攻撃に使用されて深海の暗黒において高い視認性を発揮し、作戦に参加し捕虜となったエミリオ・ビアンキは戦後「この時計がなかったら、作戦そのものが遂行不可能だったであろう」と証言している。その後エジプト軍などで制式採用された。

民生用高級腕時計メーカーとして

腕時計は長らく軍用のみだったが、軍需専門の精密機器メーカーだったために東西冷戦の終結とともに業績不振に陥り、その打開策の一つとして1993年より一般向け時計の製造、販売を限定的に開始した。最近では映画『トランスポーター』『トランスポーター2』でも使用されているが、この頃に映画俳優シルヴェスター・スタローンの特注による「スライテック・モデル」(スタローンの愛称である「スライ」に由来)も製作し、彼の出演映画『デイライト』でも使用され現行のクロノグラフにも「デイライト」の名を付けているものがあるなど当初からアメリカ映画界との繋がりは深い。

1997年からスイスコングロマリット、ヴァンドームグループ(現リシュモン)の傘下に入ってその時計ブランドとなった。ヴァンドーム傘下となる以前のパネライの時計は「プレ・ヴァンドーム」と呼ばれ、アンティーク/ユーズド市場で珍重される。

1998年国際的にデビューし、いわゆる「デカ厚ブーム」と言われる大型で厚い時計の流行の火付け役となり、近年の腕時計の大型化のトレンドを生んだと評価されている[1]。ただし、この頃の時計は外観こそ軍用時代を忠実に再現していたが、ムーブメントはエタ等の安価な汎用品を採用していた。また、現在イタリア海軍特殊部隊隊員に実際に使用している時計を質問したところ、圧倒的にカシオGショックであるとの返答を得たとされる[2]

2005年に自社製ムーブメントを搭載した時計を発表し、マニュファクチュール化した。自社開発はしているが、ムーブメントの製造ラインは系列のヴァル・フルリエにある。

代表的なレギュラーラインナップ

パネライの現状のラインは、まず大まかに、手巻きモデルからなるヒストリックライン、自動巻きモデルからなるコンテンポラリーラインに大別される。ムーブメントによる分類は、次のとおりである[3]

ヒストリック

OPキャリバー
汎用ムーブメントで、ベーシックな2針、3針仕様が中心
キャリバーP.2000系
パネライが初めて手がけた自社製造ムーブメントで、8日巻きで第2時間帯表示やパワーリザーブ表示を搭載するなど多機能ハイエンド。
キャリバーP.999系
自社製造ムーブメントだが、薄型でシンプル、ベーシックなタイプ。

コンテンポラリー

OPキャリバー
汎用ムーブメントで、ベーシックな3針のほか、クロノグラフ、GMT/アラームなどを展開。
キャリバーP.9000系
自動巻きで自社製造ムーブメントとしてはミドルレンジ。3日巻きで、第2時間帯表示やパワーリザーブ表示が付くものもある。
キャリバーP.2000系
10日巻き、かつ自動巻きの安定したハイエンドムーブ、Cal.P.2003とその派生機の搭載モデル。機能は手巻きのキャリバーP.2000系と同じ。

ケースに着目すると、次のタイプに分けられる。

ルミノール(LUMINOR

ボリューム感のあるクッションケースで側面から見た造形は角張った印象がある。主にOPキャリバーを搭載。ケース径φ40mmもしくはφ44mm。リューズガード付き。ベゼルが潜水時計用で一段と厚い逆回転防止ベゼルを装備するサブマーシブルもある。

ルミノール1950(LUMINOR 1950

正面はルミノールケースだが、側面から見ると一段と厚く、ただし鉢型に成形。自社製ムーブメントを多く搭載する。ケース径φ44mmもしくはφ47mm。リューズガード付き。ベゼルを厚い逆回転防止ベゼルにしたサブマーシブルタイプもある。

ラジオミール(RADIOMIR

オリジナルのラジオミールウォッチに忠実な形状で、正面はクッションだが、側面から見ると流線型にシェイプされた形状。OPキャリバー、自社ムーブメントを問わず搭載する。ケース径φ42mm、φ45mm、φ47mmの3サイズがある。名前の由来は自社開発しオリジナルの時計製品「ラジオミール」に使用された夜光塗料「ラジオミール」であるが、この夜光塗料は放射性物質であるため現在の時計製品「ラジオミール」には使用されていない。

代表的な限定ラインナップ

レギュラーラインナップとは別に毎年限定モデルを発表している。

  • ルミノール1950 (PAM000127)(2002年1950本発売) - 通称127番と呼ばれる希少モデル。ユニタス製6497ムーブメントを21600振動に改良、ブリッジデザインを変更したOP11を搭載。軍用ラジオミールに採用されていた二重文字盤を採用し、パネライ最大サイズであるケース径φ47mmを採用。ブラスト仕上げのフィッシュテールバックル装着。第二次大戦中の軍用タイプを忠実に再現したモデル。限定モデルの中でも特に需要が高く、市場に出回ることが少ない。
  • マリーナミリターレ(2005年1000本発売) - ケース径φ47mm。左側のリューズガードが特徴。
  • ルミノールシーランド・ジュール・ヴェルヌ(2005年100本発売) - ケース径φ44mm。カバーにジュール・ヴェルヌの著作である海底二万里の主人公ネモ船長がノーチラス号の艦橋で天測を行う様子をレリーフしたもの。

参考文献

福野礼一郎『世界自動車戦争論1:ブランドの世紀』双葉社、2008年


  1. ^ 福野礼一郎『世界自動車戦争論1:ブランドの世紀』双葉社、2008年、p.242。
  2. ^ 福野礼一郎『世界自動車戦争論1:ブランドの世紀』双葉社、2008年、p.243。
  3. ^ 同社の2010年版カタログ、および2011年6月29日現在の公式ウェブサイトに基づく。


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