ウガンダ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/09 13:46 UTC 版)
国民
民族
もっとも人口が多い民族は首都カンパラを中心とした中央地域に主に居住するバンツー系のガンダ族であり、2002年には人口の約17%を占めている[22]。国土の南部はバンツー系民族が多数を占める地域であり、マサバ族、ソガ族、ニャンコレ族(Nkole、Nyankore)、ニョロ族、キガ族などのバンツー系諸民族が暮らしている。これに対し北部はナイル系諸民族が多数を占め、ランゴ族、アチョリ族、カラモジョン族、テソ族などのナイル系諸民族が存在する。北西部にはルグバラ人などの中央スーダン系諸民族が生活する。インド系は主に都市部に居住し、ウガンダ経済の大きな部分を担っている。1970年代にイディ・アミン政権がインド人追放を行った時に大半は出国したが、アミン政権が倒れるとかなりの数のインド系住民が再びウガンダに戻った。
言語
公用語は英語であるが、2005年にスワヒリ語が公用語に追加された。しかしスワヒリ語は話者が少なく、北部を除いて共通語としても普及していないため、ウガンダ国内における重要性はそれほど高くない[23]。スワヒリ語よりも使用頻度が高いのは首都カンパラを中心に話されるガンダ語であり、旧ブガンダ地域を中心に国内の多くの地域において共通語として通用する。このほか、ソガ語、マサバ語、ニャンコレ語、ニョロ語、キガ語、テソ語、ルオ語、ランゴ語、トロ語などの各民族語が使用されている。
婚姻
結婚時に改姓すること(夫婦同姓)をしないこと(夫婦別姓)も可能[24]。
宗教
2002年の統計では、ウガンダで最も多数派の宗教はローマ・カトリックであり、全人口の42%を占める。次いでプロテスタントが36%を占め、他宗派も含めたキリスト教の信者は全人口の85%にのぼる。イスラム教徒は12%を占め、のこり3%が伝統宗教や諸宗教を信仰する[25]。
1991年にアレクサンドリア総主教座を離れ、その後、いくつかの古暦派の管轄を移っていた信者グループの代表であるヨアキム・チインバは、2012年にロシア正教古儀式派教会の指導者であるコルニーリイ府主教に手紙を書いた。この手紙の中で、チインバはロシア正教古儀式派教会に参加したいという気持ちを表明した。2013年には、ロシア正教古儀式派教会の府主教評議会は、ロシア正教古儀式派教会のもとで、チインバを司祭として按手し、彼によって導かれている信者を受け入れることを決定した[26][27]。 2017年現在、ウガンダには約150人の正教古儀式派信徒が住んでおり、ほぼ同人数の3つの会衆に分かれている[27]。ウガンダにある唯一の古儀式派教会はカンパラ郊外のムペルバにある。ガンダ語が祈祷の言語として使用されている[27]。この会衆は、2015年のヨアキム・チインバ神父の死後、ロシア正教会首都圏教会評議会で選出されたヨアヒム・バルシンビ神父によって司牧されている[27]。
土着の呪術への信仰が根強く、その呪術の犠牲として子供やアルビノの人の人体や臓器が使われるため、そのための殺人が社会問題となっている。特に選挙が行われる直前にはその被害者の数が増えると言う[28][29]。
教育
ウガンダの成人識字率は73%(15歳以上、2005〜2009年)である[30]。初等教育においては1997年より無償化政策が開始され就学率は大きく向上したが、児童数の急増に施設や教育の質が追い付かず様々な問題も起きている[31]。高等教育においては1922年に設立されたマケレレ大学が名門校として知られている。
保健
慢性的なビタミンA欠乏症に悩まされる住民が多い。2010年代においても、ウガンダの5歳未満の子どもの52%がビタミン欠乏症からなる発育不良や失明の危険にさらされている。このため、政府や国際的な研究機関の協力により遺伝子組み換え作物の導入といった対策も講じられている[32]。
医療
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HIV/AIDS
ウガンダはアフリカ大陸の国のうちで、HIV/AIDSの流行に対する国家的な対策が、効果的であった国のひとつである。1986年の内戦の後のムセベニ政権がエイズ対策を掲げ世界のエイズ研究者が集まり、新しくHIVに感染する割合が劇的に低下した。
1990年代初期のHIV感染率は18.5%と推測されたが、婚姻外の禁欲や夫婦間の貞潔などの純潔教育を推進した甲斐あって、2002年には5%にまで減少した。しかし最新の統計では約7%に増加している。2013年12月には性的興奮を促す商品や行動などを違法とする「反ポルノ法案」が国会で可決された[33]。
- ^ THE CONSTITUTION (AMENDMENT)ACT, 2005(ウガンダ2005年憲法)
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- ^ 吉田昌夫「ムセベニ政権による政治 安定化と経済復興への道のり」/ 吉田昌夫・白石壮一郎編著『ウガンダを知るための53章』 明石書店 2012年 81-82ページ
- ^ 中林伸浩「王様と大統領」/ 吉田昌夫・白石壮一郎編著『ウガンダを知るための53章』 明石書店 2012年 269-273ページ
- ^ 斎藤文彦「地方行政と開発」/ 吉田昌夫・白石壮一郎編著『ウガンダを知るための53章』 明石書店 2012年 93-94ページ
- ^ 外務省 ウガンダ基礎データ
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- ^ “Districts in Uganda”. ウガンダ地方自治省. 2020年10月1日閲覧。
- ^ “Number of districts hits 136-mark as Parliament approves creation of Terego District”. PML Daily (2020年5月5日). 2020年10月1日閲覧。
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- ^ 佐藤靖明「人とバナナの豊かな関係」/ 吉田昌夫・白石壮一郎編著『ウガンダを知るための53章』 明石書店 2012年 114ページ
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- ^ 白石壮一郎「多民族国家の民族分布」/ 吉田昌夫・白石壮一郎編著『ウガンダを知るための53章』 明石書店 2012年 42ページ
- ^ 「アフリカのことばと社会 多言語状況を生きるということ」pp352-354 梶茂樹+砂野幸稔編著 三元社 2009年4月30日初版第1刷
- ^ What’s in a name… after marriage?, The Observer, July 17, 2015.
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- ^ Община — новая, вера — старая «Община» 2020年02月02日
- ^ a b c d Из России с верой: появление старообрядчества в Уганде как отражение культурных процессов в современной Африке
- ^ 富と権力求め子どもをいけにえに、ウガンダで横行する呪術殺人 APF日本語版 2015年06月19日 13:50
- ^ 選挙と呪術、タンザニアでおびえ暮らすアルビノの人々 APF日本語版 2015年05月01日 17:02
- ^ 吉田昌夫・白石壮一郎編著『ウガンダを知るための53章』 明石書店 2012年 15ページ
- ^ 楠和樹「村の学校から」/ 吉田昌夫・白石壮一郎編著『ウガンダを知るための53章』 明石書店 2012年 156-157ページ
- ^ “国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2012年8月31日】”. 日経バイオテクオンライン (2012年9月13日). 2018年4月13日閲覧。
- ^ “ウガンダで女性のミニスカ着用禁止法可決”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2013年12月21日). オリジナルの2013年12月24日時点におけるアーカイブ。 2022年10月7日閲覧。
- ^ テロ・誘拐情勢 誘拐事件の発生状況 日本国外務省海外安全ホームページ(2016年1月26日)2017年12月9日閲覧
ウガンダと同じ種類の言葉
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