インクジェットプリンター インクジェットプリンターの市場規模

インクジェットプリンター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/24 21:43 UTC 版)

インクジェットプリンターの市場規模

以下にインクジェットプリンターおよび複合機の市場規模を示す(数字は台数)。

世界市場 日本市場
プリンター
(SFP)
複合機
(MFP)
プリンター
(SFP)
複合機
(MFP)
1999年 51,232,000 (統計なし) 4,689,000 (統計なし)
2000年 63,690,000 (統計なし) 6,414,000 (統計なし)
2001年 60,590,000 (統計なし) 6,104,000 (統計なし)
2002年 58,200,000 10,700,000 5,545,000 500,000
2003年 55,706,000 25,500,000 5,043,000 1,400,000
2004年 51,616,000 38,100,000 4,192,000 2,200,000

非純正インク問題

今日の家庭用インクジェットプリンターは、プリンター本体を低価格で販売して利益率を抑える一方、消耗品であるインクカートリッジの販売で高い利益を生み出すビジネスモデル(キャプティブ価格戦略)を、多くのプリンターメーカーが採用している。このビジネスモデルに便乗し、非純正の互換インクカートリッジや詰め替え用インクをプリンターメーカー純正品より安い価格で販売するサードパーティーが存在する。いずれの場合も、プリンター本来の性能を発揮できなくなる[13]ほか、非純正品を使用したことに起因する故障はメーカー保証や販売店独自の長期保証の保証対象外となる[14][15]ため、使用には注意が必要である。

互換インクカートリッジ

互換インクカートリッジについて明確な定義はないが、一般的にサードパーティーが製造・販売する非純正インクカートリッジ全般を指す。使用済みの純正インクカートリッジを回収して独自のインクを再充填したいわゆる「再生カートリッジ(リサイクルカートリッジとも)」や、純正品と外形が同等形状のインクカートリッジを独自に設計・製造した「オリジナルカートリッジ」などがある。オリジナルには純正より大容量などの利点を謳う商品も存在する。

プリンターメーカーは、プリントヘッド機構やインク組成などを特許出願して互換インクカートリッジの排除を行っており、一部でプリンターメーカーとサードパーティーとの間で訴訟にまで発展したケースもある[16][17]。また、消費者に対しても互換インクの使用がヘッドなどの故障の原因になるとして、使用しないよう呼びかけている[18]。純正インクでプリントした場合と比較して互換インクの方が耐久性に劣るとする報告もある[19]

一方、互換カートリッジを販売するサードパーティーは、純正品に比べて低価格であることと、正規メーカーのカートリッジにインクを再充てんすることによるリサイクル(低環境負荷)を消費者に訴えている。ただ、最近はプリンターメーカーが使用済みのインクカートリッジを回収して再資源化したり[20][21]、使用済みカートリッジに純正インクを再充填して低環境負荷の製品を販売する試みも行われており[22]、リサイクルカートリッジがエコであるとは一概には言えない。

近年は、インクカートリッジにインク残量を管理するICチップを搭載するなどして、再充填された非純正カートリッジを動作させない対策を取るプリンターメーカーが多い。これに対し、サードパーティーはICチップのカウンターをリセットする機器や、カートリッジに穴を空けインクを足すキットを付けて販売するといった手段を用いて対抗するなどの鼬ごっこが続いている状況である。

互換品やそれらを排除する動きは、インクカートリッジ以外の分野でも以前から行われていた。[23]

詰め替え用インク

互換インクカートリッジがすでにカートリッジにインクを充填した状態で販売されるのに対し、詰め替え用インクはインクのみがボトル等で販売されており、使用済みインクカートリッジにユーザー自身がインクを再注入(詰め替え)して使用する。

詰め替え用インクも純正品より安価であり、台湾など海外から輸入される廉価(数十円)な汎用インクが多い。最近は100円ショップでも20ml入りのインクが購入出来る様になっている。プリンターメーカーは、品質の保証されないサードパーティーの詰め替えインクを使用することで精巧なノズルを詰まらせてしまう危険性から、それらのインクを使用しないよう呼びかけている。 かつては可能だったキヤノンを含め、現在は多くのプリンターでユーザーによるプリントヘッド(ノズル)の交換はできなくなっており(ヘッド一体型インクカートリッジを用いる機種はこの限りではない)、ノズルの詰まりはプリンターそのものを使えなくする危険性があるため、その使用にはリスクが伴うことになる。

なお、かつては単純な詰め替え作業で行える物がほとんどであったが、現在はメーカー各社がインク残量管理にICチップを導入しているため、詰め替えた後は特殊なリセッターを別途購入して使用してICチップを初期化する必要がある(インク残量が表示できなくなるものの、残量管理機能を無効にしてそのまま印刷を続けられる機種も一部存在する[24])。そのため、インク残量管理のICチップの導入前の詰め替えインクの利用が容易な旧機種に高値がついて取引される事例も少なからずある[1]

参考文献

  • 特許庁『平成16年度特許出願技術動向調査報告書』

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  1. ^ a b 8年前に製造された中古プリンターがオークションで高額取引される謎
  2. ^ 1984年6月、インクジェットプリンタ「IP-130K」 マイルストンプロダクツ”. セイコーエプソン. 2008年12月5日閲覧。
  3. ^ HPの歩み-1980年代”. 日本ヒューレット・パッカード. 2009年8月4日閲覧。
  4. ^ キヤノンの歩み、1985年、世界初のバブルジェット方式インクジェットプリンタ「BJ-80」発売”. キヤノン. 2008年12月5日閲覧。
  5. ^ キヤノンの歩み、1990年、バブルジェット方式ノート型プリンタ「BJ-10」”. キヤノン. 2008年12月5日閲覧。
  6. ^ 1996年11月、カラーインクジェットプリンタ「PM-700C」 マイルストンプロダクツ”. セイコーエプソン. 2009年8月4日閲覧。
  7. ^ PM-700C --- “写真印刷”を初めて標榜”. 日経BP. 2009年8月4日閲覧。
  8. ^ モノクロで低解像度のものとしては、電卓用プリンターなどとして商品化されたこともあった
  9. ^ FXPS、「ソリッドインク」方式を採用したA4カラーページプリンタ
  10. ^ ソリッドインクカラープリンタがイケてない理由
  11. ^ 3D Systems To Acquire a Portion of Xerox’s Oregon Based Solid Ink Engineering and Development Teams
  12. ^ インクジェット印刷”. 東静容器. 2009年8月12日閲覧。
  13. ^ エプソン. “純正インクが選ばれる4つの理由-1”. 2010年6月4日閲覧。
  14. ^ エプソン. “エプソン純正品について”. 2010年6月4日閲覧。
  15. ^ キヤノン. “キヤノン:インクジェットプリンター 消耗品紹介”. 2010年6月4日閲覧。
  16. ^ キヤノン. “Canon Sustainability Report 2008”. pp. p.39. 2009年8月17日閲覧。
  17. ^ ブラザー工業. “消耗品に関する独・デュッセルドルフ高等裁判所における勝訴判決について”. 2009年8月17日閲覧。
  18. ^ ブラザー工業. “ブラザー純正インクのご案内”. 2008年11月16日閲覧。
  19. ^ アリオン. “公開レポート”. 2008年11月16日閲覧。
  20. ^ 郵便局株式会社. “使用済みインクカートリッジを回収しています”. 2009年8月19日閲覧。
  21. ^ 郵便局株式会社. “ブラザー、キヤノン、デル、エプソン、日本HP、レックスマークは日本郵政グループと協力し使用済みインクカートリッジの共同回収を開始”. 2009年8月19日閲覧。
  22. ^ ITmedia. “かくして“つよインク”は生まれ変わる――エプソンのリサイクル工場見学”. 2010年6月4日閲覧。
  23. ^ PC-9800シリーズ#55ボード問題
  24. ^ 「「インク警告」、「インクわずか」メッセージが表示される」HPカスタマーケア


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