イタリア語 文字

イタリア語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 04:28 UTC 版)

文字

アルファベート(alfabeto)と呼ばれるラテン文字アルファベットの26文字を使用する。この内、母音字の AEIOU にはアクセント符号を付ける場合があるが、辞書上ではアクセント符号を付けない文字と同じ文字として扱う。

K, J, X, Y は人名や地名、方言、外来語で使用する。W は古来の文字ではないので英語ドイツ語からなどの外来語で使用する。このため通常使用文字は21文字ともいえる。

読み方は1文字だけ強調する場合は A を「アー」の様に伸ばすことも多い。イタリア語で良く使う文字の読み方は規則的だが、X 以外のあまり使われない文字の読み方は長く、1つに確定していない。

電話などでの綴り伝達法ではイタリアの都市の名を使い「アンコーナのA」のように使用するが、H は1文字目が H の都市名が無いため外来語の hotel を使用している。K, J, Y は外来語の一般名詞、W, X は固有名詞を使う。

辞書での単語の順は26文字を表の順(英語と同じ)に並べる。母音字のアクセント符号の有無は順に影響しない。

大文字は、文章において文の先頭や固有名詞の先頭の1文字に使用する。代名詞などの敬称の先頭文字も大文字とする。 碑文、見出し、本の題名、漫画のふきだし、手紙、落書きなどにおいては、文全体が大文字で書かれることもある。

最近の文字の使用方法では、携帯電話のメッセージや電子メールなどで文字数を少なくする用途で、「X」を「per」(掛け算の記号から)、「6」を「sei」(essere の現在第二人称単数形)などと読ませた文章を作成することもある。イタリア語では通常「k」を使用しないが「ch」を「k」と置き換えることもある。よって「perché」が「xke」となる。

15世紀のイタリア詩人のジャン・ジョルジョ・トリッシーノは、イタリア語の音素をより完璧に識別するための独自の正字法を提案したことがあるが、これは普及しなかった[2]

文字 読み 電話での綴り伝達(意味)
大文字 小文字 イタリア語 近いカナ音写
A a a Ancona(アンコーナ
B b bi Bologna(ボローニャ
C c ci Como(コモ
D d di ディ Domodossola(ドモドッソラ
E e e Empoli(エンポリ
F f effe エッフェ Firenze(フィレンツェ
G g gi Genova(ジェノヴァ
H h acca アッカ hotel(ホテル
I i i Imperia(インペリア
J j i lunga
gei
iota
イ・ルンガ
ジェイ
ヨータ(まれ)
jersey(ジャージ
K k cappa, kappa カッパ kursaal(ホテルの広間)
L l elle エッレ Livorno(リヴォルノ
M m emme エンメ Milano(ミラノ
N n enne エンネ Napoli(ナポリ
O o o Otranto(オトラント
P p pi Padova(パドヴァ
Q q cu Quarto(クアルト
R r erre エッレ Roma(ローマ)
S s esse エッセ Savona(サヴォーナ
T t ti ティ Taranto(ターラント
U u u Udine(ウーディネ
V v vu
vi

ヴィ(まれ)
Venezia(ヴェネツィア
W w doppia vu
vu doppia
ドッピャ・ヴ
ヴ・ドッピャ
Washington(ワシントン
X x ics イクス xeres(白ワインの一種)
Y y i greca
i greco
ipsilon
イ・グレーカ
イ・グレーコ
イプスィロン
yacht(ヨット
Z z zeta ゼータ
ツェータ
Zara(ザーラ

注釈

  1. ^ 最初の子音が c, g であった場合、正書法上は、音価を保つために "h" が挿入されている。 ex. claruschiaro

出典

  1. ^ Accademia della Crusca” (イタリア語/英語). 2007年9月29日閲覧。
  2. ^ G・ヴィーコ『新しい学(上)』中公文庫、2018年、369p頁。 
  3. ^ #berloco2018f
  4. ^ イタリア文化会館 イタリア語学校
  5. ^ ダンテ・アリギエーリ協会 東京支部






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イタリア語」の関連用語

イタリア語のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イタリア語のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイタリア語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS