アルキメデス アルキメデスの概要

アルキメデス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/29 23:50 UTC 版)

シラクサのアルキメデス
: Ἀρχιμήδης
ドメニコ・フェティ(en)1620年画
『Archimedes Thoughtful』
人物情報
生誕 紀元前287年
シチリア島シラクサ
マグナ・グラエキアの自治植民都市
死没 紀元前212年(75歳前後)
シチリア島シラクサ
居住 シチリア島シラクサ
学問
研究分野 数学物理学工学天文学発明
主な業績 アルキメデスの原理アルキメディアン・スクリュー流体静力学てこ、無限小(en)
プロジェクト:人物伝
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一般には、アルキメデスは史上まれな偉大なる古代の数学者という評価を受けている[4][5]級数を用いて放物線面積を求める取り尽くし法[6]円周率の近似値計算[7]、彼の名で「アルキメデスの螺旋」とも呼ばれる代数螺旋の定義[8]、回転面(en)体積の求め方や、大数の記数法も考案している[9]

てこを利用した投石機を用いて敵の海軍を打ち破った。アルキメデスはシラクサの戦い(en)において、彼には危害を加えないよう命令が下されていたにも関わらず、共和政ローマの兵士に殺害された。マルクス・トゥッリウス・キケロがアルキメデスの墓を参った言い伝えによると、彼の墓は球面に外接(en)する円柱を象っていた。アルキメデスは、球とそれに外接する円柱は、体積の比と表面積の比がどちらも 2:3 であることを立証しており、彼自身この証明が最も成果があるものと見なしていた。

発明した品々とは異なり、アルキメデスの数学に関する記述は古代においてほとんど知られていなかった。アレクサンドリアから伝わった数学は多くアルキメデスを引用していたにも関わらず包括的に纏められなかったが、530年にミレトスのイシドロスが編集し、6世紀にはアスカロンのエウトキオス(en)の著作が広く読まれ、初めて一般に知られるようになった。これらもまた中世までに廃れたが、ルネサンス期には多くの科学者に発想の元を提供する役目を持ち[10]、1906年に発見されたアルキメデス・パリンプセスト(en)からは、彼が得た数学的帰結に至る、知られていなかった洞察の過程についての情報を得ることができた[11]




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注釈

  1. ^ アルキメデスは『螺旋について』にてペルシウムのドシセオスに宛てた序文を載せているが、そこで彼は「コノンが亡くなってから何年もが過ぎた」と書いている、サモスのコノンは紀元前280年から紀元前220年を生き、この言葉はアルキメデスが著作を書いた時は晩年だった可能性を示す。
  2. ^ 原文:He placed his whole affection and ambition in those purer speculations where there can be no reference to the vulgar needs of life.
  3. ^ アルキメデスの失われた著作については、他にZeuxippusに宛て『砂の計算』で用いた数の単位を説明した『Principles』、『On Balances and Levers』『On the Calendar』がある。T.L.ヒース(en)は、後世に伝わるアルキメデスの業績は『平面の釣合について I』『放物線の求積』『平面の釣合について II』『球と円柱について I, II』『螺旋について』『円錐と球体について』『浮体の原理 I, II』『円周の測定』『砂の計算』だと主張した。
  4. ^ カール・ベンジャミン・ボイヤーの『数学の歴史』(A History of Mathematics、1991年)では「一般にヘロンの公式と呼ばれる三辺の長さから三角形の面積を求める公式は、ヘロンよりも数世紀前の人物であるアルキメデスの仕事だとアラブの学者は伝える。彼らはまた、broken-chord定理もアルキメデスの作だと考える。アラブ人は、いくつもの定理をアルキメデスが証明したと報告している」と述べられている。

出典

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