アッバース朝 アッバース朝の概要

アッバース朝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/04/25 19:27 UTC 版)

アッバース朝
الخلافة العباسية الاسلامية
ウマイヤ朝
ダブワイド朝
750年 - 1258年 モンゴル帝国
アグラブ朝
ターヒル朝
アッバース朝の国旗
(国旗)
アッバース朝の位置
アッバース朝の版図(深緑はまもなく離反し、緑が850年以降の領土として留まる)
公用語 アラビア語
首都 クーファ
バグダード
サーマッラー
カリフ
750年 - 754年 アブー=アル=アッバース
1242年 - 1258年 ムスタアスィム
面積
最大版図 12600000km²
人口
最盛期 28600000人
変遷
建国 750年
ブワイフ朝バグダード入城 945年
セルジューク朝バグダード入城 1055年
滅亡 1258年
通貨 ディルハム(銀貨)
ディナール(金貨)

概要

イスラム教の開祖ムハンマドの叔父アッバースの子孫をカリフとし、最盛期にはその支配は西はイベリア半島から東は中央アジアまで及んだ。アッバース朝ではアラブ人の特権は否定され、すべてのムスリムに平等な権利が認められ、イスラーム黄金時代を築いた。

東西交易、農業灌漑の発展によってアッバース朝は繁栄し、首都バグダードは産業革命以前における世界最大の都市となった[1]。また、バグダードと各地の都市を結ぶ道路、水路は交易路としての機能を強め、それまで世界史上に見られなかったネットワーク上の大商業帝国となった。

アッバース朝では、エジプトバビロニアの伝統文化を基礎にして、アラビアペルシアギリシアインド中国などの諸文明の融合がなされたことで、学問が著しい発展を遂げ、近代科学に多大な影響を与えた。イスラム文明は後のヨーロッパ文明の母胎になったといえる。

アッバース朝は10世紀前半には衰え、945年にはブワイフ朝がバグダードに入城したことで実質的な権力を失い、その後は有力勢力の庇護下で宗教的権威としてのみ存続していくこととなった。1055年 にはブワイフ朝を滅ぼしたセルジューク朝の庇護下に入るが、1258年にモンゴル帝国によって滅ぼされてしまう。しかし、カリフ位はマムルーク朝に保護され、1518年にオスマン帝国スルタンセリム1世によって廃位されるまで存続した。

国名

イスラム帝国という呼称は特にこの王朝を指すことが多い。古くはヨーロッパ中心史観に基づき日本でもサラセン帝国と呼ばれたが、現在では一般的ではない。後ウマイヤ朝を西カリフ帝国、アッバース朝を東カリフ帝国と呼称する場合もある。


  1. ^ 宮崎正勝・著 『イスラム・ネットワーク アッバース朝がつなげた世界』、1994年
  2. ^ 「イスラーム世界のジハード」(興亡の世界史 第6巻)p203-205 小杉泰 講談社 2006年11月17日第1刷
  3. ^ 佐藤次高 マムルーク 東京大学出版 P148,P176
  4. ^ 佐藤次高、鈴木薫・編 『都市の文明イスラーム』、1993年
  5. ^ 宮崎正勝・著 『知っておきたい「お金」の世界史』、2009年
  6. ^ 「シルクロード」p315 長澤和俊 講談社 1993年8月10日第1刷
  7. ^ 宮崎正勝 『世界史の誕生とイスラーム』 2009年







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