ちゃんぽん あんかけのちゃんぽん

ちゃんぽん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 05:33 UTC 版)

あんかけのちゃんぽん

日本各地に、醤油ベースのスープを餡掛け状にしたちゃんぽんも存在する。兵庫県尼崎市の「尼崎ちゃんぽん」(通称「尼チャン」)、和歌山県由良町の「由良ちゃんぽん」[25]鳥取県島根県の「山陰ちゃんぽん」[26]など。

秋田のちゃんぽん

秋田県秋田市にある「チャイナタウン」が有名である。どんぶりから溢れんばかりの魚介類と野菜に、大量の餡がかかった味噌味のスープが特徴。

沖縄のちゃんぽん

那覇空港食堂のちゃんぽん

日本本土の「ちゃんぽん」は麺料理だが、沖縄県における「ちゃんぽん」とは平皿に盛った米飯の上に野菜炒め卵とじを載せた米料理である。大衆食堂に見られるメニューで、箸ではなくスプーンを使って食べる。

具材や味付けは店によって異なるが、野菜はキャベツニンジンモヤシタマネギなど、肉類は豚肉の薄切り、缶詰のランチョンミートコンビーフハッシュなどがよく使われる。

ちゃんぽん焼き

姫路ちゃんぽん焼き(昭和お好み焼き劇場うまいもん横丁

1950年代から兵庫県姫路市周辺では、うどん中華麺ウスターソースで焼いた、焼きそば焼きうどんをあわせたような料理が供されており、これは「ちゃんぽん」もしくは「ちゃんぽん焼き」と呼ばれる[27]

大韓民国のチャンポン

大韓民国のちゃんぽん

大韓民国のチャンポン(: 짬뽕)は韓国の中華料理に分類される麺料理で、主に中華料理店で食べられ、チャジャンミョンと並ぶ人気がある。中国の福建式燜麺(メンミエン)が変化して作られた日本の長崎のちゃんぽんと異なり、韓国の仁川のチャンポンは中国の山東式炒碼麺(チャオマミエン)が変化して作られたが、日本統治時代日本人たちが「清料理店」(当時の中華料理店の呼称)で販売するこの食べ物を見て「ちゃんぽん」と名付けた[28]

博物館施設


注釈

  1. ^ マレー語およびインドネシア語の「campur(チャンポール)」の語末は母音が存在しない強い巻舌音であり、場合によっては「チャンプン」もしくは「チャンポン」と受け取られる可能性がある。「ちゃんぽん」を沖縄方言の母音変化に従って発音すると「チャンプン」となる。
  2. ^ 「攙混」を福州語で読むと「サンホウン」、廈門の閩南語で読むと「チャムフン」で、音が合わない。普通の言い方で混ぜることは、福州語では「攙」(ツァン)または「拌」(プアン)といい、こじつけるならばむしろ「攙拌」の方が音が近い。閩南語では「攙」チャムの他にラムともいう。北京語で読むとchānhùn チャンフンであるが、北京音が出てくる必然性がない。
  3. ^ 直訳するなら「飯は食ったか?」
  4. ^ 廈門の閩南語では「チャップン」という発音であるが、創業者陳平順の母語であるはずの福州語では「シエップオン」という発音(馮愛珍, 『福州方言詞典』p408, 1998年, 江蘇教育出版社)で、音が合わず、疑わしい。
  5. ^ これらの語源事典では、「攙烹」の字義を検証せずに、料理名の「ちゃんぽん」が「混ぜること」より発生が遅いとした根拠が示されていない状態である。

出典

  1. ^ 赤塚忠・阿部吉雄編 『漢和中辞典』 旺文社、1977年。 ISBN 978-4010724026
  2. ^ 胡金定「『ちゃんぽん』を考える」『甲南大学・国際言語文化センター報Zephyr』73号、2019年、6頁。
  3. ^ 四海樓 Archived 2015年12月29日, at the Wayback Machine. - ちゃんぽんの由来 Archived 2007年5月1日, at the Wayback Machine.
  4. ^ 長崎ちゃんぽんの歴史と由来 Archived 2013年6月10日, at the Wayback Machine.
  5. ^ 用例:(洒落本)鼻山人『花街鑑』(1822年)- 「芸者の滑稽、チリツルテン、ちゃんぽんの大さわぎ」。
  6. ^ 日本俗語大辞典 p.371
  7. ^ 山口佳紀編 『暮らしのことば 語源辞典』講談社、1998年。ISBN 978-4061250376
  8. ^ 前田富祺監修『日本語源大辞典』小学館、2005年。ISBN 978-4095011813
  9. ^ 杉本つとむ『語源海』東京書籍、2005年。ISBN 978-4487797431
  10. ^ 西垣幸夫『日本語の語源辞典』文芸社、2005年。ISBN 978-4835589206
  11. ^ a b あのメニューが生まれた店 p.24
  12. ^ ニッポン定番メニュー事始め p.103
  13. ^ 第二回関西九州府県聯合水産共進会長崎県協賛会編、『長崎縣紀要』、p257、1907年、長崎市・第二回関西九州府県聯合水産共進会長崎県協賛会。[1]
  14. ^ 馮愛珍, 『福州方言詞典』p348, 1998年, 江蘇教育出版社
  15. ^ 長崎チャンポン - 全国製麺協同組合連合会
  16. ^ 長崎の美味しい食べ物”. 長崎の美味しい食べ物. 2020年2月14日閲覧。
  17. ^ 小浜ちゃんぽん愛好会”. www.facebook.com. 2020年2月16日閲覧。
  18. ^ マツコの知らない世界「ちゃんぽんの世界」”. www.tbs.co.jp. 2020年2月14日閲覧。
  19. ^ 冬に食べたい あったか佐賀ちゃんぽん Fit ECRU 426号 巻頭特集|Fit特集|Fit ECRU”. Fit ECRU. 2022年2月12日閲覧。
  20. ^ 京都新聞「をかべ」24日まで 彦根ちゃんぽん、味は継承」、2012年6月22日配信、2012年7月13日閲覧。なお、出典記事では「24日で閉店」とあるが、実際の閉店日は6月30日である。
  21. ^ 渕脇直樹(2014年10月15日). “八幡浜ちゃんぽん:食べ歩き楽しんで 24店紹介の双六”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  22. ^ a b c 佐藤英法(2014年8月28日). “八幡浜ちゃんぽんで地域振興 市が条例制定へ”. 朝日新聞 (朝日新聞社)
  23. ^ 渕脇直樹(2014年9月20日). “雑記帳:愛媛県八幡浜市議会は19日、「八幡浜ちゃんぽん振興条例案」を…”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  24. ^ a b c 「ご当地ラーメン」の地域ブランド戦略 pp.203-206
  25. ^ BIGLOBEニュース「三田地場ーガー、尼崎ちゃんぽん…阪神ご当地グルメ博 Archived 2009年11月23日, at the Wayback Machine.」、2009年11月22日配信、配信元は読売新聞、2010年8月20日閲覧。
  26. ^ 日経電子版「列島あちこち 食べるぞ! B級グルメ 第16回 鳥取県実食編 スタートは山陰チャンポン」、2010年7月16日配信、2010年8月20日閲覧。
  27. ^ 「姫路グルメ」なぜ独特? 焼きそば×焼きうどん『ちゃんぽん焼き』に見る、“地域性=食への探究心” | ラジトピ ラジオ関西トピックス”. ラジトピ (2023年2月8日). 2023年5月6日閲覧。
  28. ^ 명사 70인과의 동행 (38) “중국 초마면 본 일본인이 짬뽕이라 불러”…한국 근대를 맛보다


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