あめつちの詞 参考文献

あめつちの詞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/08 05:25 UTC 版)

参考文献


注釈

  1. ^ 『源順集』にはほかにも「双六の歌」、「碁盤の歌」というものがあり、これはそれぞれ双六盤や碁盤の形に和歌を並べて詠むという、一種のクロスワードパズルのようなものである。その中の「あめつちの歌」というのは「あめつちの詞」を詠み込んだ和歌ということであり、あめつちの詞が当時「あめつちの歌」と呼ばれていたわけではない。
  2. ^ この末尾の「あ」とは畔(あぜ)のことで、「あぜ」の古い語形。
  3. ^ 以上本文は御所本『順集』に拠る。
  4. ^ 源順が編纂した『和名類聚抄』には「硫黄」の項目にその注として、「硫黄」の和名を「由乃阿和」(ゆのあわ)、俗に「ユワウ」と呼ぶと記されており、これにより「ゆわ」とは硫黄の事とされている。硫黄を「ユワウ」というのは、日本語には本来語頭にラ行の音を持つ言葉が存在せず、古代日本において漢語「硫黄」が入ってきたとき、「リウワウ」と発音することができずにこのように変化したもので、現在でもこの語を「いおう」と読むのはその名残である。『いろはうた』(中公新書、1979年)104頁参照。
  5. ^ 大矢透は「おふせよ」以下を「生育(おふ)せよ 榎の枝を 馴れ居て」と解釈しているが、中田祝夫は「負ふ 背よ 良箆(えの) 愛男(えを) 汝(なれ) 偃(ゐて)」としており、他にも「えの」は「江野」、「ゐて」は「率て」ではないかという意見もあり(馬渕和夫)、この部分に確たる解釈はない。『いろはうた』(中公新書、1979年)106頁参照。
  6. ^ 御所本『順集』より。
    もいはで こひのみわたる わがみかな いつとやいそに おふるまつが
    もわかぬ なみだのかはの はてはてや しゐてこひしき やまひつくま
  7. ^ 「洞物語〔国禅ノ巻〕に仲忠の書て孫王に奉れる御手本の書ざまをいへるところに、春の詩夏の詩あめつちとみえたるも、此あめつちの文の事なるべし。〔割註〕但しこの物語本ども、あめつちの下に、その字一つ衍(アマ)れり。或校本になきぞよき、本書をよくよみわきまへて知べし」(伴信友『比古婆衣』巻之四、「安米都知誦文考」)。大矢透も『音図及手習詞歌考』でこの「安米都知誦文考」について触れ、『宇津保物語』の「国譲」の巻から本文を引用し、あめつちの詞が手習いに用いられたとしている。
  8. ^ 日本古典文学大系』12の『宇津保物語』の校異によれば、あめつちの詞を指すとされる箇所は伝本によって「あめつちそ」、「あつめつちそ」、「あつめかきて」などとある。また「あめつちそ」とあるのが本来だと見なしても、末尾の「そ」が何なのか定かではない。これを助詞の「ぞ」と見て「あめつちぞ」とする解釈もあるが、原文での言葉の使い方において問題が残る。上記『比古婆衣』の「あめつちの下に、その字一つ衍れり」というのは、「あめつちそ」のあとに続く文章が「そのつぎに…」なので、これは「そのつぎ」の「そ」の字を誤って二度書き写してしまったものであり、「あめつち」とするのが本来だということである。「あめつちほしそ」とあったのが、「ほし」を書き落として「あめつちそ」になったのではないかとする見方もある。『宇津保物語 三』(『日本古典文学大系』12)545 -546頁、『いろはうた』(中公新書、1979年)108 - 109頁参照。

出典

  1. ^ 『いろはうた』(中公新書、1979年)107頁。
  2. ^ 『いろはうた』(中公新書、1979年)「阿女都千と手習」、「手習のありかた」(108 -113頁)参照。
  3. ^ 『『いろはうた』(『中公新書』558)、「誦文の成立事情」(115頁)。
  4. ^ 小松英雄 1979, pp. 125–127.


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