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[俳優 黒部進さん](上)ウルトラマンのレッテル、30年間触れたくなかったが、今はハヤタ役が誇り

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30年以上たって見たウルトラマンは面白かった

スペシウム光線のポーズ

スペシウム光線のポーズ

――演じて30年以上たってから見て、どう思いましたか。

 いやー、面白いものだなと思いました。よくできてるなぁ。これならファンがつくだろうって。台本は読んでいるので、バルタン星人とかゼットンという名前や姿は頭に入っていましたが、どういういきさつで登場して、どうなったのかドラマでの展開までは知らなかったんですよ。以前は「ウルトラマンの話を聞かせてくれ」と呼んでいただいても、見ていないから話はできませんでした。アキコ隊員を演じた桜井浩子さんはとても詳しかったですね。

――長い時間をかけて、ウルトラマンの受け止め方が変化してきたわけですね。

 本を書いた少し前くらいからでしょうか。時々、ウルトラマンのブームがあるのですが、そうした時に、ウルトラマンへのファンへの思いとか、海外でも評価されているとか、周りの声に耳を傾けるようになって、僕の気持ちが変わってきました。実相寺さん(故・実相寺昭雄監督)や飯島さん(飯島敏宏監督)が円谷プロのみなさんやスタッフと作ってきたウルトラマンはすごいものだったとわかってきたんです。出演して30年近く、あまり触れたくないことではあったんですけど、今は出演したことを誇りに思っています。

黒部進さん

くろべ・すすむ
 1939年、富山県黒部市生まれ。本名吉本隆志。中央大学経済学部中退。63年、石坂洋次郎原作「暁の合唱」でデビュー。芸名は出身地から。66年、「ウルトラマン」の主人公、科学特捜隊のハヤタ役になった。その後は、時代劇や刑事ドラマなどで悪役を演じることが多かった。90年代などウルトラマンブームが起きると関連の特撮作品にも出演。現在もウルトラマン関係のイベントに登場する。長女は女優の吉本多香美さん。

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