うまみ豊かでナッツのような香りをまとった極上の熟成肉を、短期間でかつ安定的に作り出す日本発のフードテックが注目されている。その技術を使った「熟成魚」もすでに商品化されており、「熟成ジビエ」の展開も視野に入る。スタートアップが仕掛ける「熟成革命」を追った。

エイジングシートで作った熟成肉
エイジングシートで作った熟成肉

 肉に貼る“美容シート”。そんな表現がしっくりくる独創的な商品だ。

 熟成肉専門店などを展開するフードイズム(東京・渋谷)と、明治大学農学部教授の村上周一郎氏が共同開発した「エイジングシート」は、熟成肉を作るのに適したカビの胞子を滅菌した布にまんべんなく付着させたもの。これを巻いて冷蔵庫に一定期間置いた肉は、芳醇(ほうじゅん)な香りとうまみを引き出した極上の熟成肉に生まれ変わる。しかも、従来より短期間かつ安全に、食品ロスが少ない状態でだ。飲食店の“救世主”ともいえるエイジングシートは、なぜ生まれたのか。

熟成期間が従来の3分の1に

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