マイクロソフトは2010年6月17日、Officeの最新バージョン「Office 2010」の一般向け販売を開始する。それに先立ち同社は、Office 2010で提供される64ビット版の扱いについて、注意を促している。

 Office 2010は、Officeで初めて64ビットにネイティブで対応。パッケージに収められたインストールDVDには、32ビット版と64ビット版の両方のモジュールが含まれる。ただし同社は、「64ビット版を使えば何でもかんでも速くなるというわけではない。パフォーマンスの向上が見込めるのは、2GB以上のファイルを扱うような場合で、それ以外ではほとんど変わらない」(同社インフォメーションワーカービジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 飯島圭一氏)といい、過大な期待は禁物だとしている。

 そして、安易に64ビット版を導入するデメリットについても警告する。「64ビット版では、アドインのプログラムなども64ビットに対応している必要があるので、気軽に64ビット版を入れると、既存アドインなどが動かなくなることもある。Windowsが64ビット版でも、Officeは32ビット版で利用するのがお勧めだ」(同)。

 こうした理由から、Office 2010のパッケージでは、DVDから自動で起動するインストーラーも32ビット版になっているという。64ビット版をインストールしたい場合は、エクスプローラーでDVDの内容を開き、64ビット版のセットアッププログラムを手動で立ち上げる必要がある。また、メーカー製のパソコンにプリインストールされるOffice 2010も、多くが32ビット版になる見込みだという。