ビデオ会議や画面共有などの機能を備えるWeb会議ツールはテレワークでの協調作業に不可欠だ。ビジネス利用に向く主要なWeb会議ツールを取り上げ、特徴的な機能や便利な使い方を紹介する。今回は米シスコシステムズ(Cisco Systems)の「Cisco Webex(ウェブエックス)」を取り上げる。
Web会議ツールの草分けの1つといえるのが、米シスコシステムズの「Cisco Webex」だ。日経コンピュータが毎年実施する「顧客満足度調査」でも「ビデオ/音声会議システム/サービス」の分野でトップ10の常連である。
Webexにとって最大の競合は米ズームビデオコミュニケーションズ(Zoom Video Communications)の「Zoom」だという。「商談の場でZoomとぶつかることが多い」とシスコの日本法人、シスコシステムズの谷内健治ネクストジェネレーションミーティングセールスマネージャーは明かす。
両者は因縁の関係にある。ズームビデオコミュニケーションズの創業者であるエリック・ユアンCEO(最高経営責任者)は、シスコに買収される前の旧・米ウェブエックスで長年Webexの開発に携わった。その後に独立してズームビデオコミュニケーションズを立ち上げ作ったのがZoomだ。そこで今回はZoomと比較しながらWebexの特徴を解説する。
WebexにはZoomと同じく無料版と有料版がある。Webexの無料版はWeb会議の時間が50分までに制限される。Zoomは無料版でも参加者が2人までなら時間は無制限だが、Webexの場合は参加人数に関係なく時間制限がある。
有料版の料金は「ホスト」の数による従量課金だ。ホストはWeb会議を設定・実施するユーザーを意味するが、実態としては同時に1つのWeb会議を開催するクラウドのリソースと考えると分かりやすい。例えば2つのホストを契約すれば、同時に2つまでのWeb会議を開催できる。従量課金の基本的な考え方はZoomと共通する。
年間契約の場合は割引料金が適用される。利用する規模によって「Starter」「Plus」「Business」という3つのプランがあり、BusinessではActive Directoryとの連携など企業向けの管理機能が充実している。
プラン | 無料 | Starter (小規模チーム向け) | Plus (中規模チーム向け) | Business (大規模なチームおよび企業向け) |
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価格(税別) 年間契約の場合の月額料金 | 無料 | ホスト当たり月額1490円 | ホスト当たり月額1980円 | ホスト当たり月額2980円 ホスト5台から |
会議参加者 | 100人まで | 100人まで | 100人まで | 200人まで |
会議時間 | 50分まで | 24時間まで | 24時間まで | 24時間まで |
付加機能 | ユーザー管理など | 自社独自のWebexサイトのURL作成など | 10ギガバイトのクラウドストレージ、 Active Directoryとの連携など |