シンガポール 20年ぶり首相交代へ リー・シェンロン氏退任表明

シンガポールのリー・シェンロン首相は、来年秋までに首相の職をローレンス・ウォン副首相に譲る考えを表明し、アジア有数の経済大国であるシンガポールで、20年ぶりに指導者が交代することとなりました。

リー・シェンロン首相は5日、事実上の一党支配を続ける与党「人民行動党」の大会で演説しました。

このなかで「次の総選挙の前にウォン副首相にトップの座を委ねるつもりだ。すべてうまくいけば党の創立70周年の前に譲りたい」と述べて、来年11月の党の創立記念日までに党のトップと首相を退任してローレンス・ウォン副首相に譲る考えを表明しました。

シンガポールの初代首相、リー・クアンユー氏の長男であるリー首相は、2004年に3代目の首相に就任し、アジア有数の経済大国の政権運営を担ってきました。

リー首相は現在71歳で、ウォン副首相に権力を移譲することは決まっていたものの、これまで交代時期は明らかにしていませんでしたが、20年ぶりに指導者が交代することになりました。

財務相も兼任するウォン副首相は50歳で、世界中から投資を呼び込んで金融の中心地として発展してきたシンガポールで指導者の世代交代が行われることになり、政権運営の行方が注目されています。