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よくわかるソフトウェア管理(連載)

第1回 ソフトウェアの不正コピーとは?

ソフトウェア管理を円滑に行うためには、まず、経営者から一般社員まで組織の全ての構成員が、どのような行為が不正コピーなのか、そして、なぜ不正コピーは行ってはならないのかについて理解してもらうことが必要です。

こんなことはありませんか?
  • 新しく購入したパソコンに今まで使っていたソフトウェアをインストールし直し、古いパソコンのソフトウェアは、そのままアンインストール(削除)しないで他部署に回した。
  • 仕事で急に特定のソフトウェアが必要となったため、他のパソコンで使用しているソフトウェアを「ちょっと借りよう」と考えて自分のパソコンにインストールした。
  • ソフトウェアの購入を申請したところ、予算の都合で数を減らされたが、「それでも業務上必要だから」「どうせチェックしないだろう」と考え、ソフトウェアを必要台数分インストールした。
  • 会社で使用しているソフトウェアを自宅でも使いたいと思い、CD-ROMを持ち帰り、自宅のパソコンにインストールした。

  • これらはすべて、不正コピーとなりうる行為です。 会社で正規に購入したソフトウェアであっても、実際にパソコンへインストールした数が、ソフトウェア購入時にソフトウェアメーカーに認められたインストール可能台数を超えてしまうと、その超えた分は、不正コピーとなります。
海賊版の利用

一方、そもそも正規品を購入せずに、インターネットオークションやファイル共有ソフト等などから海賊版を入手してインストールすることも、不正コピーとなります。

また、パソコンを購入したところ、販売代理店が「サービス」と称して、海賊版をインストールして納入する場合もあります。 現在国内ではほとんど見られませんが、海外、特にアジア地域ではいまだ多く行われており、海外の子会社・関連会社においては注意しておかなければなりません。


なぜ不正コピーは許されないのか

コンピュータソフトウェア(プログラム)のほとんどは、著作権法によって守られる著作物です。そのため、ユーザーがソフトウェアのインストール(コピー)を行うには、著作権者であるソフトウェアメーカーからの許諾・許可を得ることが必要です。この許諾・許可のことを「ライセンス」と呼んでおり、ライセンスは、一般的にインストールの際などに使用許諾契約に同意することで取得できます。

このため、ライセンスで認められたインストール可能台数の範囲を超えたインストールは不正コピー、つまり著作権侵害となります。

つまり、正規品のソフトウェアを購入した場合でも、実際にインストールされているソフトウェアの数が組織が保有するライセンスの数を超えている場合は、使用許諾契約違反となるほかに著作権法違反ともなり、それが発覚すれば、損害賠償を請求されたり、悪質な場合には懲役、罰金などの刑事罰を受ける可能性があるのです。また、不正コピーが明るみに出ることで、社会的な信用も損なうことになります。


重大なミスを避けるために

このような、重大な問題につながりかねないミスを未然に防ぐためには、自らが行うインストールが不正コピーであるかどうか、あらかじめ理解できていなければなりません。そしてこの理解のためには、組織としてソフトウェア管理を実施しておくことが、唯一無二の予防策となります。

次回は、不正コピーが発覚した場合のリスクについて解説します。

(2009年11月13日公開)


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