巨人の1軍キャンプに参加するメンバーが27日、羽田空港から空路、キャンプ地の宮崎市に入った。初めてのチーム便移動で、ルーキーや移籍組の選手たちは球団伝統の“ジャイアンツタイム”にどう対応したのか。
慌ただしい空港の出発ロビーに、それぞれの人間模様が交差した。
チームより先乗りで合同自主トレに臨む選手たちは、午前と午後の2便に分乗。主力の大半が乗り込む午後便の一番乗りは、新人で唯一の1軍スタートとなったドラフト1位の小林誠司捕手(24)=日本生命=ではなかった。
小林が若手数人とともに出発ロビーに姿を見せたのは、出発時刻の1時間12分前。V9時代に始まった、定刻の30分前には選手やスタッフが集結する暗黙のルール“ジャイアンツタイム”は、しっかりと守られている。
だがさらに早い、1時間30分前に到着していたのが2年目の菅野だ。昨年11月の球団納会ゴルフでは渋滞に巻き込まれ遅刻。この日は小山とともに、万難を排しての一番乗りとなった。続いてその10分後には、広島からFA権を使って移籍した大竹が3番手で到着。新顔らしく早めの行動をとった。
4番手グループの小林は待ち構えた約50人のファンに、瞬く間に取り囲まれて7分間もサイン。ようやく輪が解けて球団関係者から航空券を受け取った後も、再びサインを求める長蛇の列に応じるなど、初キャンプの前からプロの洗礼を受けた。
「1軍キャンプに選ばれるためにやってきたのではない。1軍の舞台で活躍することを目標にしている」と力強く語るイケメンルーキー。「頑張ります。持ち物? 気持ちだけ持ってきました」とさっそうといい残して機上の人となった。
自由契約となった中日から加入した井端は、同い年で生え抜きの高橋由とともに出発44分前に到着。西武からFA移籍の片岡は41分前に姿を見せ、プレースタイルに通じる気持ちの強さを示した。“大トリ”はエース内海で33分前。球団創設80年で規律重視を打ち出す今季だけに、滑り出しは上々のようだ。 (笹森倫)