法学を教える立場の教授が暴力団幹部から大金を借りる。突如、発覚した関係者の黒い交際に日本有数のマンモス大、日本大学が大揺れだ。当事者の山岡永知(ながとも)名誉教授(77)には解雇を含めた厳正な処分が下る見通しだが、この先生、「悪いという認識は希薄のようだ」(関係者)というから唖然とさせられる。山岡氏は元日大総長の親族で、問題のある投資話で過去、その名が取り沙汰されるなど何かと話題にのぼる人物だった。
日大によると、山岡氏は「10年ほど前、当時現役だった(指定暴力団)山口組の元幹部に事業資金として借金した」と説明。金額は2000万円で「まだ返していない」と話している。元幹部とは二十数年前に知人を介して知り合ったという。
今回の金銭トラブルは、山口組元幹部が、さいたま地裁越谷支部に起こした民事裁判の中で明らかになった。裁判記録によると、山岡氏は昨年8月、元幹部側の証人として出廷し、10年ほど前に海外での投資に充てる資金として元幹部から借りたと証言した。
山岡氏は国際法が専門で、日大大学院を修了後、1986年に日大法学部専任講師になり、95年に教授になった。2008年の退職後は、同大法科大学院の名誉教授として「週2日、英米法などの3講座を担当していた」(日大広報)。
山岡氏を知る日大関係者は「彼は日大の3代目総長で法学者の山岡萬之助氏の親族として知られていた。幅広い人脈を持っていて、昔から独特の存在感を放っていた」とその印象を振り返る。