結腸がんでの闘病の末、1月31日に67歳で亡くなったベーシスト、ジョン・ウェットン氏。キング・クリムゾンやエイジアなど人気バンドで活躍したプログレッシヴ・ロックの重要人物だ。芸能界きっての洋楽ファンで、ジョン・ウェットン氏を愛してやまない俳優、高嶋政宏(51)が緊急寄稿で、その死を悼み、思いの丈をつづった。
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ジョン・ウェットンが逝ってしまいました。もう会えません。観ることができません。
名作といっていい、多くの作品が残されましたが、もう彼からは、新作が産み出されることはありません。
町で偶然ばったり会うこともかなわないので、もう一緒に写真も撮れません。握手もできません。生の声も聴けないのです。
彼はもうこの世にいないので、たとえ彼のライブのプロモーターと知り合うことがあっても、万に一つも会えません。悲しいです。寂しいです。
彼が歌う「スターレス」(キング・クリムゾン「レッド」に収録)が死ぬほど好きで、音楽にかかわるときは、その曲名をとって「スターレス高嶋」と勝手に名乗っているんです! という熱い思いも伝えることができないままでした。
FMの番組で、彼との対談企画が実現寸前まで行きましたが、結局、彼のスケジュールで実現しませんでした。
残念です。本当に残念です。今は、ただただ、ありがとうございます。お疲れさまでした、と彼に言いたい。