絶滅とみられたタイワンコオイムシ、石垣島で再発見…オスが卵を保護する習性

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沖縄県・石垣島で発見されたタイワンコオイムシ
沖縄県・石垣島で発見されたタイワンコオイムシ

 国内では絶滅したとみられていた水生昆虫タイワンコオイムシが、沖縄県・石垣島で再発見されたと九州大が発表した。56年ぶりの採集だが、台湾などから飛来した個体の可能性もあるため、九州大などが詳しく調べている。

 台湾をはじめ東南アジアなどに広く分布するタイワンコオイムシはカメムシの仲間で、オスが卵を背中につけて 孵化ふか するまで保護する習性で知られる。日本では琉球列島に生息し、かつては田んぼなどでよく見られたが、稲からサトウキビへの転作が進むなど環境が変化したことで激減したという。1958年を最後に採集例がなく、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。

 今回見つかった個体(体長1・6センチのメス)は、九州大の鹿野雄一准教授(生態学)が2014年1月、淡水魚の生息調査で訪れた石垣島の浅い池で偶然採集。その後、魚と一緒に研究室で冷凍保管していたという。

 最近になって福岡県保健環境研究所の中島淳専門研究員(生態・分類学)がこの個体を調べ、タイワンコオイムシとわかった。

 中島氏は「台湾などから飛来した可能性もあるが、人が立ち入らない場所にまだ生息している可能性がある」と話す。「発見時は4、5匹が同じ池にいた」(鹿野氏)が昨年、中島、鹿野両氏が石垣島で再調査したところ、池は干上がっていたという。

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2205124 0 科学・IT 2021/07/14 11:58:00 2021/07/15 09:27:42 2021/07/15 09:27:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210714-OYT1I50057-T.jpg?type=thumbnail

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