完了しました
4月の東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、木村弥生・前区長(58)を支援していた自民党衆院議員の柿沢未途・前法務副大臣(52)の秘書が東京地検特捜部に対し、区長選約2か月前に地元事務所で開かれた会議で、柿沢氏が秘書5人に区議への現金提供を指示したと説明していることがわかった。また、現金の受領を認めた区議の一部が特捜部に「区長選の応援の意味もあると思った」と述べていることも判明した。
特捜部は、これらの説明を踏まえ、柿沢氏が現金提供を主導し、木村氏を当選させる買収目的の趣旨があった可能性があるとみて捜査している。
関係者によると、柿沢氏と秘書5人は2月、地元事務所で区長選や同時期に行われる区議選に向けた会議を開催。柿沢氏に擁立された木村氏は当時、政治活動の拠点としていた京都を離れて区長選出馬を表明したばかりで、区内での知名度が低い状況だった。
この会議では、柿沢氏から自民党区議に現金を配るよう指示があり、10人以上の区議に各20万円程度を提供することが決定。その後、秘書らは担当地域ごとに手分けし、柿沢氏の了承のもとで区議に現金提供を申し出て、一部は受け取りに応じ、残りは面会や提供を断られたという。
秘書らは特捜部の任意の事情聴取に対し、こうした現金の提供経緯を説明する一方、趣旨については区議選の陣中見舞いとして買収の意図を否定。特捜部は16日の捜索で地元事務所や秘書、区議らの自宅などから押収した資料も踏まえ、授受の具体的なやり取りなどをさらに調べるとみられる。