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年季が入った木棚に、ずらりと並んだ切符。乗客が買い求めるたびに、昔ながらの
島原鉄道では「硬券」と呼ばれる切符が今も残る。縦2センチ、横5センチほどの厚紙に発行駅や乗車区間、金額を印刷。六つの有人駅で販売し、このうち多比良駅では各駅への乗車券や入場券など約20種類を扱っている=写真=。
かつては全国の鉄道会社で使われたが、自動改札機の普及などで徐々に姿を消した。収集のため、関東など遠方から足を運ぶ鉄道ファンもいるという。
硬券と知らずに購入し、家族で興味深そうに見入る観光客の姿も。駅員の安藤良子さん(59)は「地元では当たり前だけど、旅行で来た人には珍しいんですね。味があっていいでしょ」と笑った。