来年の出生数80万人割れも…妊娠届、コロナ禍の5月以降減少

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、来年の出生数が例年以上に減る可能性があることが分かった。厚生労働省が21日に発表した全国の妊娠届の件数は、感染への不安が高まった3月ごろに妊娠した人が届け出る5月以降、7月まで前年同期を1割超下回っている。昨年90万人台を割った出生数は、来年は80万人を切るとの見方もある。

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 厚労省が緊急調査した結果によると、5~7月の届け出件数は、前年同期比2万6331件減の20万4482件で、減少率は11・4%となった。前年同月比で減少幅が最も大きかったのは5月で、1万3992件減の6万7919件、減少率は17・1%だった。都道府県別では、山口の29・7%をはじめ、20%を超える県が九つあった。

 山口県産婦人科医会の佐世正勝理事は「結果に驚いているが、山口県は妊娠届の件数が比較的少なく、影響が数字に出やすい。もう少し長い期間で見る必要がある」と指摘する。

 妊婦の感染リスクや、収入減が産み控えに影響したとみられる。厚労省は「外出を自粛し、届け出が遅れている可能性もある」とするが、少子化が加速することへの危機感を強める。

 出生数は減少傾向にあり、2019年は前年比5・8%減の86万5239人だった。少子化問題に詳しい中央大の山田昌弘教授は「コロナ禍で子どもを望む夫婦の収入が減り、生活の見通しが立たなくなっている。来年の出生数は80万人を切る可能性もある」と話す。

 ◆妊娠届=母子手帳や健診の受診票の交付を受けるために必要な手続き。妊娠と診断された女性は市町村に提出する必要がある。母子保健法に基づく。妊娠3か月(8~11週)までに妊婦の9割以上が届け出ている。7~8か月後の出生数の目安となる。

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1566795 0 医療・健康 2020/10/22 00:12:00 2020/10/22 00:24:54 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201021-OYT1I50067-T.jpg?type=thumbnail

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