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京都市立芸術大が1日、JR京都駅北東側の新キャンパス(京都市下京区)に移転した。市は、国内の芸術系大学で最も古い歴史を持つ同大学を中心に、古都の玄関口となる駅周辺の活性化を図る。
この日、新キャンパスで行われた記念式典には約600人が参加し、赤松玉女学長が「京都の歴史や文化とつながり、芸術を軸に様々な交流が活発に行われるテラスのような大学を目指したい」と抱負を述べた。
同大学は、1880年設立の京都府画学校が起源で、美術、音楽の2学部と大学院には計約1000人が通う。1980年開設の沓掛キャンパス(同市西京区)が老朽化したため、市は移転を決め、2021年から工事を進めてきた。
新キャンパス(約3・5ヘクタール)には、最大800人が収容できる講堂と音楽ホールを兼ねた施設や、最先端の芸術を紹介するギャラリー、図書館などを備えた計10棟がある。住民との交流広場や誰でも出入りできる街路も設け、多様な人が集まる交流拠点を目指す。
駅周辺は高齢化や市街地空洞化などが課題となっていたため、市は企業誘致や子育て世代の定住促進を進めてきた。中でも同大学を「文化芸術都市」の魅力を高める新しいシンボルと位置付けてきた。
移転に合わせ、大学の隣接地では料理学校や学生寮などを備えたビルの進出が決定。駅南東側では世界的なアート集団「チームラボ」などがミュージアムの開業を予定するなど、新たな動きが出てきている。