基礎からわかる「皇族女子」…民間人になると、どう生活が変わるのか

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 秋篠宮家の長女 眞子まこ さま(30)が26日に結婚し、皇室を離れられる。天皇を支える皇族女子の活動や役割とは何か。民間人になると、どう生活が変わるのか。制度の現状と課題をまとめた。

[Q]どんな活動?…国際親善や祭祀参列

 皇室には現在、13人の皇族女子の方々がいる。

 このうち結婚で皇室に入られたのは皇后さま(57)や上皇后さま(87)ら7人、皇族として生まれたのは愛子さま(19)や眞子さま、佳子さま(26)ら6人。生まれながらの皇族女子は、天皇との血縁関係の度合いによって、天皇の子と孫は 内親王ないしんのう 、ひ孫以降は 女王じょおう と呼ばれる。

 皇族女子の大きな役割は、天皇陛下(61)の活動を支えることだ。20歳の成年になると、皇室行事に参加する。宮中では歌会始などの伝統行事や神々に国民の幸せを祈る 祭祀さいし に参列するほか、国賓を招いた 晩餐会ばんさんかい では華やかなドレスやティアラ姿で出席者をもてなす。

 皇族男子が減少する中で、皇室の幅広い活動の担い手にもなってきた。

 眞子さまは、日本テニス協会の名誉総裁と日本工芸会の総裁を務められてきた。秋篠宮さまと桂宮(2014年逝去)がそれぞれ務められた職で、皇族男子の仕事を引き継がれた形だ。

 国際親善も重要な公務の一つだ。眞子さまは18年に日本人移住110周年を迎えたブラジル、19年には南米のペルー、ボリビアを巡るなど7か国を公式訪問された。皇太子待遇の 皇嗣こうし の長女として海外でも存在感を示されてきた。

 皇室典範12条は、皇族女子が皇族以外と結婚した場合、皇籍から離脱すると定めている。この規定に従い、眞子さまは26日に婚姻届が自治体に受理された時点で、皇籍を離れて民間人となられる。

[Q]皇族費とは?…生活費 使途は自由

 皇室の方々が日常生活を送るための費用は、国から支給されている。天皇ご一家と上皇ご夫妻の5人は「 内廷ないてい 費」、他の皇族方は「皇族費」の名目で、支給額は皇室経済法で定められている。支給後は「 御手元金おてもときん 」と呼ばれ、使い道は自由だ。

 内廷費は全体で年3億2400万円で、3分の1程度は私的活動の宮中祭祀に充てられる。

 皇族費(1人分)は年3050万円が定額で、 身位しんい (立場)によって増減する。皇嗣の秋篠宮さまには定額の3倍の9150万円、宮家の当主には定額、独立していない成年の親王・内親王には定額の30%など。

 内親王の眞子さまには、未成年時は年305万円、成年後は年915万円支給されてきた。皇族費は4月と10月の年2回、宮家ごとにまとめて振り込まれ、どう分配するかは宮家の判断に委ねられる。

 皇族が皇室を離れる際に支給される一時金も、皇族費を基に算出される。内親王の場合は〈3050万円(定額)×0・5×10=1億5250万円〉、女王の場合は、内親王の10分の7に当たる1億675万円が上限額となる。

 本来は、この上限額をベースに皇室経済会議で金額が決定されるが、眞子さまは一時金の受け取りを辞退されたため、宮内庁は支給しないことを決めた。

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2469930 0 皇室 2021/10/26 05:00:00 2021/10/26 10:49:29 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211025-OYT1I50107-T.jpg?type=thumbnail

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