お客様事例紹介

阪急バス株式会社 大阪営業所様〈バイオディーゼルコージェネ〉

阪急バス株式会社 大阪営業所

会社紹介:阪急バス株式会社は、大阪を中心とした関西圏で路線バス、高速バスを運行しているバス事業者です。「ひととまちに優しい阪急バス」を企業理念に、人々の暮らしを支える交通機関として、安全・安心・快適な運行、未来に向けた持続可能な社会の実現のために環境への取り組みを行っています。
所在地:大阪市淀川区十三本町3丁目9番40号
導入製品:バイオディーゼル発電機 25kW 1台
導入年月:2020年12月
燃料:社員食堂、グループ会社の給食センター、グループ会社が分譲するマンション入居者から集めた使用済み食用油を精製したバイオディーゼル燃料
年間燃料使用量:約16,000L

稼働予定

年間運転時間:約2,000時間
発電電力量:50,000kWh
年間CO2削減効果:約17.6t-CO2

大阪営業所にバイオディーゼル燃料を使用する発電機を導入

阪急バス様では、環境への取り組みを企業活動の根幹として1999年4月、企業理念「ひととまちに優しい阪急バス」、2007年10月には「環境宣言」を制定しました。以降、エコドライブの実践による燃料消費改善をはじめ、廃食用油のリサイクル推進とCO2排出抑制を目的としたバイオディーゼル燃料を使用するバスの導入など、さまざまな環境施策に取り組んできました。

<取材者紹介>
茂木 裕康様
経営企画部(総務・グループ政策担当)部長 兼 内部監査部長

仲 真哉様
内部監査部課長 兼 経営企画部(総務担当)課長

茂木さん:当社の事業は、バスを運行するための燃料消費を前提としています。マイカーの利用に比べて環境に優しい交通機関ではありますが、一定の環境負荷を与えていることは忘れてはなりません。そういったことから、当社では環境負荷低減への取り組みを続けて参りました。
また、阪急阪神ホールディングスグループにおいては、2020年にSDGs(持続可能な開発目標)を推進するための「サステナビリティ宣言」を策定。CO2排出量削減については、2030年度で26%削減(2013年度比)の目標を掲げています。
今回のバイオディーゼル発電の導入については、「① 通常稼働におけるCO2排出の抑制」と「② 災害対策や停電など、非常時におけるBCP(事業継続計画)対策としての電力確保」の2つの目的がありました。

仲さん:バイオディーゼル燃料については、2008年12月よりバイオディーゼル燃料を100%使用したバスを運行しています。この取り組みは、近畿の民間バス事業者として初めての試みでした。しかし、国の自動車排ガス規制の影響を受けて、「100%バイオディーゼル燃料の新型車両への導入が難しい」という課題に直面。「皆様に回収いただいた使用済み食用油を無駄にしたくない」という思いから、バイオディーゼル燃料を使用した発電機の導入を決めました。

グループ全体で取り組む、バイオディーゼル燃料への思い

今回のバイオディーゼル燃料を使用したヤンマーの発電機は、大阪営業所に導入されました。バイオディーゼル燃料は、阪急バス様の社員食堂やグループの給食センター、およびグループ会社が分譲するマンション入居者様から集めた使用済み食用油を精製したリサイクル燃料です。植物由来の燃料ですので、化石燃料と異なり大気中のCO2を新たに増やさない(カーボンニュートラル)資源循環型の再生可能エネルギーです。脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの推進が求められています。

ヤンマーのバイオディーゼル発電機を採用した理由

茂木さん:まずはバイオディーゼル燃料を100%使用できる発電機の数少ないメーカーであること。バイオディーゼルではないのですが、グループ会社においてもヤンマーさんの機器が多く採用されていますので、その信頼性の高さと実績も導入の理由でした。阪急バスの新本社においてもヤンマーさんの非常用発電機の採用が決まっています。

仲さん:やはりメンテナンスなどのサポート力が大きいですね。バイオディーゼルバスのメンテナンスは当社の整備部門で対応できますが、発電機のメンテナンスはヤンマーさんにお願いをしています。

バイオディーゼル発電機を導入してみて

茂木さん:今回は大阪営業所に導入したのですが、一番気になるのがランニングコストです。導入前、ヤンマーさんにはいろいろと相談にのっていただいたのですが、導入後もヤンマーさんの協力を得ながら、注意深くデータやノウハウを蓄積していきたいです。私たちは、CO2排出抑制に向けてさまざまな取り組みを行なっています。バイオディーゼル発電は、持続可能な社会を実現するための大きな可能性の一つだと思います。

仲さん:私はバイオディーゼル燃料の取り組みについて、プロジェクトの当初から担当してきました。これまでグループ会社や地域住民の方々など、多くの人々の協力を得て続けることができました。バイオディーゼル発電は、当社の新しい試みですが、ぜひ成功させたいと思います。

今回のポイント

【課題】
①環境への取り組みとして、CO2排出を抑制したい
②グループ会社や沿線地域の皆様から回収した使用済み食用油を精製したバイオディーゼル燃料を有効活用したい
③停電時は、BCP「Business Continuity Plan」(事業継続計画)の一環として電力を確保したい

【解決】
①廃食用油のリサイクル燃料の使用による、CO2削減などの環境負荷の低減
②バイオディーゼル燃料を使用するバイオディーゼル発電機の導入
③自家発電によるオフグリッド(自立運行)で、営業所設備の一部電力を供給

関連情報

バイオディーゼル発電

廃食油を燃料として、エンジンを運転し、電気と熱に変換します。