日経スペシャル ガイアの夜明け・毎週火曜夜10時放送・闘い続ける人たちの物語
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日経スペシャル「ガイアの夜明け」 6月19日放送 第268回

町からバスが消える
「~ 規制緩和で揺らぐ地域の足 ~ 」

いま全国各地で路線バスが、続々と姿を消している。2006年度、廃止されたバス路線は実に1300キロを越えた。マイカー利用によるバス離れに加え、地方では過疎化が進展しているのが原因だが、さらに、2002年から実施された規制緩和が、路線バスの廃止を加速させている。そもそもバス事業は、「公益性」の側面から、黒字が見込める一部の路線や長距離バス路線、貸切りバスなどの収益で赤字路線を支えてきた。しかし、規制緩和による新規事業者の参入はドル箱路線に集中、運賃の低価格競争を招く結果となった。その影響を受け余力のなくなった既存のバス会社は、赤字路線の整理に走り出しているのだ。 消えていく路線バス・・・。一方で増える新規参入の貸切りバス業者。地域の足を守るという「公益性」か、これ以上赤字は増やせないという「経営の効率化」か、規制緩和がもたらしたバス事業の今を追う。


地域の足が消える・・規制緩和がもたらした現実

岩手県久慈市。病院に向かうバスの乗客はわずか10人・・・いずれもお年寄りたちだ。
この路線がいま、廃止問題で揺れている。久慈市を走るバス路線は現在7系統。運行するJRバス東北は、これまで過疎地のバス路線を黒字が見込める仙台―東京間などの長距離バスの収益で支えてきた。しかし他業者の参入により収益が急激に落ち込んだ。
「戦後から地元の方々に育てていただいた。我々も残念だが、やむを得ない・・・」
今年3月、JRバス東北は、この7系統すべての廃止を決断した。これに対し、地域住民は「バス路線を守り広める会」を結成。「一度に7路線の廃止は、地域住民の生活基盤の根底を揺るがしかねない・・・」と会長を務める八尾 勉さんは訴える。 路線存続を求め、住民の署名活動を始めた。
 一方、バス会社の数、約80社、全国随一といわれるのが鹿児島県。この数は規制緩和後におよそ30社増加したもの。
その鹿児島県内で公共交通と観光の発展に寄与してきた岩崎グループ。貸切りバス事業の営業マン川原勇次さんは、早朝から得意先の中学校で修学旅行のお見送り、さらにはバスの誘導。先生にも積極的に話しかけ、サービスに努める。「安さでは負けるから・・」と苦しい現状を語る。岩崎グループは、傘下に50社を抱え、売り上げは500億円。観光や石油販売、路線バスや貸切りバス、タクシー会社、フェリーまで交通事業を手がける有数の名門企業だ。
これまでたとえ赤字でも過疎地の交通網を支える代わりに、需要が見込める貸切りバス事業を独占的に営業してきた・・・しかし昨年、年間11億円もの赤字を抱えてきた路線バスのうち305系統におよぶ路線の廃止を打ち出した。反対する地元住民。結局、協議の末160系統の路線を廃止した。「こんなことになるとは思わなかった、身の丈のあったサイズに変わらなければならない」。グループを率いる岩崎社長は、経営再建に乗り出した・・。
それは社員100名のリストラと給与カット。まさに苦渋の選択だ。


救世主登場 路線バスは立て直せるのか?

去年12月、広島県福山市。経営難に陥った中国バスを訪れた人物がいた。両備グループ社長小嶋光信さん。“公共交通の救世主”と呼ばれる男である。
小嶋社長率いる両備グループは、岡山に本社を構え、路面電車、バス、タクシー、トラック輸送など多角的に展開する運輸事業会社だ。これまで和歌山県の貴志川線再建に名乗りを上げるなど、全国から注目を集めてきた。「乗り合いと貸切では土俵が違う。乗り合いは、いろんな規制があって、客がたとえ少なくてもいつでも走らせなければならない」。規制緩和に対して小嶋社長はこう批判する。
中国バスの経営破たんの引き金も規制緩和による高速路線バスの売り上げ減少だったが、経営再建を引き受けた小嶋社長が見た中国バスの実態は、散々なものだった。乗務員のモラルの低さと運転技術の未熟さ、住民からの苦情も山積していた。「中国バスは変わります!安全を運転するサービス業として・・」小嶋社長が打ち出したのは、乗務員の意識改革とサービス業としての再教育。住民の信頼回復を当面の目標に掲げた。はたして利用客は取り戻せるのか?



新たな試み 知恵と工夫でバスを残せ!

岩手県雫石町。3年前、バス会社が赤字を理由に廃止した路線を継承し、町が予約型の路線バス「あねっこバス」の運行を始めた。
従来のバス同様、ダイヤと停留所はあるが、事前に予約が入ったときだけ走らせる「デマンドバス」と呼ばれているものだ。走って来たのは9人乗りのワンボックスカー。どこまで乗っても200円。運営はNPO法人に委託、業務自体は地元のタクシー会社が請け負っている。これまで、バス路線存続のために町が赤字補填していた税金は、年間5000万円。それを現在、年間3800万円に抑えることができた。
住民の要望で始まった「デマンドバス」に地域の足を守るバスの未来像を探る。


     
 




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