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2020年4月16日 放送
次世代ビジネスの挑戦者たち 第3弾!
社会貢献の新潮流を生む 若き起業家の挑戦
- ボーダレス・ジャパン 社長 田口 一成(たぐち かずなり)
"貧困や児童問題などの社会問題をビジネスで解決する"ソーシャルビジネスが、今、世界中から注目され広がりを見せている。しかし実際は、儲からず、長続きしない...それが現実だという。そんなソーシャルビジネス界にあって年間54億円を稼ぎながら、新しいビジネスを次々と生み出す企業がある。それが、東京に本社を置く、ボーダレス・ジャパンだ 。ミャンマーの貧しい農家を再生させるハーブティー事業や、バングラデシュの貧困層が働ける革工場の運営・製品販売事業など、いまやグループで35事業を手掛け、11ヵ国で約1300人の従業員を抱える巨大グループに成長。31歳でボーダレス・ジャパンを立ち上げた社長の田口は「ビジネスは金稼ぎの手段ではなく、あくまでも問題解決をする手段」と語る。資金繰りが難しいとされる業界にありながら、なぜ、ボーダレス・ジャパンは、成功することが出来たのか!?社会貢献ビジネスの新潮流を生み出す田口の戦略に迫る!
社長の金言
- 挑戦者が消えるのは 社会の損失Tweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
入社希望者が殺到する!新世代ソーシャルビジネスの挑戦者
ボーダレス・ジャパンが手掛けるビジネスの1つ…「ビジネスレザーファクトリー」。実はこの店、その名の通り、ビジネスマン向けのバッグや名刺入れなどを扱う本革専門店。驚くべきは、その価格。高級本革のバックが1万5000円、革靴でも1万1000円、、、どの商品も、お手頃価格。しかも、ビジネスに使いやすいシンプルなデザインで、熱狂的なファンも生んでいるという。実は、店では明らかにされていないが、この革製品を作っているのは、バンングラデシュで貧困に苦しむ人達。ボーダレス・ジャパンがアジアの最貧国に雇用を生むために作ったブランドだという。「社会問題をビジネスで解決する」そんなボーダレス・ジャパンの姿勢に…就職活動中の学生はもちろん、やりがいを求めるサラリーマンも熱い視線を注ぎ、大手企業を辞めて転職してくる人も少なくないのだ。業界を超えて注目を集めるボーダレス・ジャパンの独自すぎる仕掛けと、人を魅了するビジネスの秘密に迫る!
小さな課題解決を広げる!社会貢献の連鎖を生み出す驚きの仕組み!
社会問題を解決するために作られた独立した28の会社の集合体とも言えるボーダレス・ジャパン。他の会社との一番の違いは、社員の誰もが社長になれる独自の仕組みにある。例えば、ある社員が、社会問題を解決するためのビジネスを提案する。そのビジネスモデルをボーダレス傘下の事業会社のトップたちが審査した上でGOサインが出れば、ボーダレス・ジャパンが1500万円を投資、その社員を社長とした新会社を立ち上げることができる。つまり、問題意識と意欲がある社員に、社会問題を解決するビジネスを次々と手掛けさせるのがボーダレス・ジャパン最大の特徴だという。しかも、会社経営が軌道に乗るまでは運営やマーケティングなどをバックアップ、新会社の社長が課題解決に集中できる環境を提供してくれる。逆に、会社が黒字化し、余剰利益が出れば、それをボーダレス・ジャパン共通の財布に入れ、新たな事業立ち上げや既存事業の拡大に回す『恩送り』というシステムまで作り出した。資金難に苦しみ、1人だけで向き合うには限界がある…そう感じた田口が生み出した、全く新しいモデルの社会貢献ビジネス。躍進を続ける秘密を解き明かす!
ゲストプロフィール
田口 一成
- 1980年福岡県生まれ
- 2003年早稲田大学商学部を卒業
ミスミに入社 - 2006年ボーダレス・ジャパン創業
- 2018年日経ビジネス
「世界を動かす日本人50」に選出される
企業プロフィール
- 創 業:2006年
- 本 社:東京都新宿区市谷田町2丁目17
- 資本金:1000万円
- 売上高:54億円(2019年度 見通し)
- グループ従業員:1327人(2020年度1月31日時点)
「誰もが明日も生きたいと思う社会に」「全ての子ども達が自らの手で明日を描ける社会を」「世界中の人がチャレンジできる社会に」「すべての人に希望とワクワクを」ボーダレスに集まる人々は本気でそんなことを思っている。総じて若い。田口さんと話しても、微妙な違和感が残ったが、世代の違いとはそういうものだ。「世界から貧困をなくす」ために働くが、自分たちはごく普通でいい。社会起業家のプラットフォームができている。彼らは具体的に、少しずつ前進するだろう。その前進には価値がある、とわたしは思う。