体重無差別で柔道日本一を決める全日本選手権(29日、東京・日本武道館)で、注目のリオデジャネイロ五輪73キロ級金メダルの大野将平(25=旭化成)は、池田賢生(28=日本中央競馬会)に一本負けを喫し初戦の2回戦で敗退した。

 95キロの池田に対し、78キロしかない小兵の大野が序盤から真っ向勝負に出た。場外際では得意技の内股を放ったが、体重差はいかんともしがたく決まらない。本戦は互いに指導1つずつで、ゴールデンスコア方式の延長戦に突入。さすがにスタミナの消耗は激しく、不用意に指導を取られてしまう。

 それでも、館内から「大野、頑張れ!」の声援が飛ぶ中、何とか粘った。力を振り絞って攻めていったが、延長4分54秒、大外刈りをまともにくらって一本負けとなった。

 合計9分54秒にも及ぶ激闘を終えた大野は「恐怖心はあった」と言いつつも「逃げたら、自分が自分じゃなくなる。あえて厳しい戦いに挑みたかった。(出場は)一つの使命と思っていた。負けて悔しいけれど、今後に生かしていきたい」とさばさばした表情。リオ五輪まで支えてくれた柔道ファンや関係者の期待に応えるために、出場を決断したという。

 最後に、体重無差別の戦いにさらなる挑戦があるのかとの問いにも「もちろんあります」と力強く答えた。