大相撲の現役力士が違法カジノ店に出入りしていたことが発覚した。日本相撲協会は木瀬部屋に所属する幕内英乃海(32)と新十両の紫雷(29)に違法賭博への関与の疑いがあることを公表。師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)の判断により、両力士は初場所(来年1月9日初日、東京・両国国技館)を休場することになった。

 芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「詳しい内容については、まだ調査中。どういう違法賭博なのか、この2人だけの調査なのか、まだ分からない。休場させなければいけないという状況は残念極まりないし、遺憾」と現状を説明。「何も知らないのに、自分らで調べて行ったということはないと思う。(違法賭博に関与する)関係者がいるから、そういった行動になっているのでは」との見解を述べた。

 角界関係者によると、英乃海と紫雷の両力士は埼玉県内の違法カジノ店に出入りしていたという。さらに、木瀬部屋とは別の部屋に所属する複数の力士にも関与の疑いがあるとの情報も浮上。ここから芋づる式に拡大していけば、さらなる大騒動への発展は避けられない。角界では2010年に野球賭博問題が勃発。大関琴光喜と大嶽親方(当時、元関脇貴闘力)が解雇処分、それ以外にも力士や親方が大量に処分される事態となった。

 今年は幕内朝乃山(高砂)らが新型コロナウイルスのガイドライン違反(不要不急の外出禁止)で懲戒処分を受けているが、あくまでも協会内のルールを逸脱したレベル。違法賭博への関与となればれっきとした犯罪だけに、懲戒解雇を含めた厳罰が下される可能性もある。角界が、再び不祥事の激震に見舞われた。