「不自由展」監督 津田氏登壇シンポ中止へ 神戸市、抗議相次ぎ

2019年8月9日 16時00分

津田大介氏

 ジャーナリストの津田大介氏が芸術監督を務めた愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題を受け、神戸市などが十八日に津田氏を招いて開く予定だった現代アートに関するシンポジウムを中止する方針を決めたことが九日、市関係者への取材で分かった。
 シンポは市の外郭団体「神戸市民文化振興財団」が事務局で、八日までに市などに抗議や問い合わせの電話が約百件あった。市関係者は中止の理由を「シンポは芸術イベントのPRが目的だが、このままでは津田氏の言動に注目が集まって本来の目的から外れる懸念がある」と説明した。
 財団によると、シンポは九月に神戸市で開催される芸術イベントの関連行事として計画。「アートは異物を受け入れるのか」をテーマに津田氏を含めて三人が議論する予定だった。
 抗議は「津田氏はふさわしくない」や「愛知の二の舞いになってほしくない」といった内容。「予定通りやってほしい」と要望するものもあった。
 八日には自民党の上畠寛弘神戸市議らが財団側に登壇者の見直しを要請。上畠氏はツイッター上で「神戸の芸術祭が津田氏のプロパガンダにならないよう申し入れました」と主張していた。
 愛知の企画展は元慰安婦を象徴した「平和の少女像」など国内の美術館やイベントで近年、撤去や公開中止となった作品を集めており「ガソリン携行缶を持って(会場の)美術館に行く」などの脅迫を受けて、開幕三日で中止となった。

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