地震で発電所が停止し安全装置が作動 東京や横浜など210万戸停電の背景

2022年3月17日 21時06分
地震の影響で停電し、明かりが消えた東京・新橋の飲食店街。奥はJR新橋駅=17日午前1時すぎ

地震の影響で停電し、明かりが消えた東京・新橋の飲食店街。奥はJR新橋駅=17日午前1時すぎ

 16日夜の地震では、首都圏でも東京・大手町や横浜市、さいたま市、千葉市などで震度4を観測した。複数のけが人が出たほか、一時は約210万戸が停電した。停電戸数は、同じく最大震度6強だった昨年2月の福島県沖の地震時(約86万戸)の2倍を超える規模となった。
 関東1都6県と静岡、山梨両県に送配電する東京電力パワーグリッドによると、停電戸数は地震発生の23分後、16日午後11時59分に最多の約210万戸となった。都県別では東京都約70万戸、神奈川県約31万戸、埼玉県約30万戸、千葉県約22万戸など。完全復旧は17日午前2時52分だった。
 発端は広野火力発電所5、6号機(福島県広野町)など計4基(計150万キロワット)の地震による停止だ。これで発電量と使用量のバランスが急に崩れ、各地の送電設備にある安全装置が作動。使用量を一時的に減らすため停電したという。
 需給バランスがとれない場合、「それを異常と判断し、地震の影響がなかった発電所も自動停止し、より広範囲で停電する『ブラックアウト』が起きる恐れがある」と同社の担当者。ただし、変電所や送電線などに損傷はなく、昨年の地震時に比べて大規模になった理由は、はっきりしないとしている。
 また都内などで停電後に揺れを感じたケースもあった。これは電気が、震源からの震動より速く伝わるため、揺れより先に停電に至った可能性もあるようだ。(梅野光春)

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