北京五輪開会式の聖火最終ランナーにウイグル族女性 国際社会からの人権侵害批判に反論する狙いか

2022年2月5日 11時17分
北京冬季五輪の開会式で最終走者を務めたウイグル族のジニゲル・イラムジャン㊧と趙嘉文=4日、北京で(木戸佑撮影)

北京冬季五輪の開会式で最終走者を務めたウイグル族のジニゲル・イラムジャン㊧と趙嘉文=4日、北京で(木戸佑撮影)

 【北京=本社五輪取材団】4日夜に行われた北京冬季五輪開会式で、聖火の最終ランナーを務めたのは、スキー女子クロスカントリーの中国代表選手で、イスラム系少数民族ウイグル族のジニゲル・イラムジャン選手(20)だった。中国国内での少数民族に対する人権侵害が批判を浴びる中、民族の団結を演出して批判に反論する狙いとみられる。
 イラムジャン選手は、スキー男子ノルディック複合に出場する漢族の趙嘉文ちょうかぶん選手(21)とともに最終ランナーとなった。中国メディアによると、新疆しんきょうウイグル自治区アルタイ市出身のイラムジャン選手は父も同じ種目の選手で、12歳から父の指導を受けてきた。2017年から国家選抜選手になり、今大会では5日の競技に出場する。
 同自治区のウイグル族を巡っては中国政府が人権侵害を続けているとして、米国などが五輪に政府関係者を派遣しない「外交ボイコット」を表明していた。中国政府はウイグル族に対する人権侵害を否定しており、開会式のクライマックスでのウイグル族起用はその主張を反映した形だ。

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