岸田首相、森友問題再調査を否定 赤木さん妻「再調査を期待していたので残念」

2021年10月11日 20時15分
インタビューに答える元財務省近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻雅子さん=7月20日、東京都千代田区の中日新聞東京本社で

インタビューに答える元財務省近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻雅子さん=7月20日、東京都千代田区の中日新聞東京本社で

 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざんをめぐり、岸田文雄首相は11日の衆院本会議代表質問で、「財務省の調査や検察の捜査で結論が出ている」として、第三者による再調査の実施をあらためて否定した。
 自殺に追い込まれた近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん(50)は6日に、岸田氏へ再調査を求める手紙を送付しており、この日の本会議では立憲民主党の辻元清美氏が手紙を朗読、岸田氏の見解を尋ねた。
 岸田氏は「民事訴訟で原告と被告の立場にあり、返事は慎重に対応したい。裁判の過程でまずは裁判所の訴訟指揮に従い、丁寧に対応するよう財務省に指示した」と従来の政府見解を繰り返した。一方、「今後も必要に応じて説明していく」とも述べた。
 本会議を傍聴した雅子さんは、散会後の取材に「再調査を期待していたので残念だ。特に自民党の議員の方々に、財務省の報告書を読み返して考えてほしい」と話した。(皆川剛)

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