奄美・沖縄、世界自然遺産の登録決定 固有種多い生物多様性が評価

2021年7月26日 19時45分
イリオモテヤマネコ=沖縄県・西表島

イリオモテヤマネコ=沖縄県・西表島

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は26日、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)の世界自然遺産登録を決めた。亜熱帯の森にアマミノクロウサギやヤンバルクイナなど貴重な固有種が数多く根付く生物多様性を評価した。日本の自然遺産登録は2011年の「小笠原諸島」(東京)以来5件目。政府が候補とした全件が登録され、国内最後の自然遺産となる可能性が高い。
 登録区域は鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄県の沖縄本島と西表島の4島に及ぶ計約4万3千ヘクタールで、大部分が森林。大陸から切り離され現在の島々が形成される過程で動植物は独自の進化を遂げ、絶滅が危惧される固有種が多く生息する。
 政府は17年、ユネスコに登録を推薦したが、ユネスコ諮問機関は、区域が4島24カ所に分散し一体的な保全ができない点や、米軍から返還された沖縄本島の北部訓練場跡地を含んでいないことを問題視し、抜本的な見直しを求める登録延期を勧告した。
 政府はいったん取り下げ、訓練場跡地を含む4島5カ所に再編した上で、19年に再推薦。委員会は「生物多様性の保全上、重要な地域」と評価し、登録を決議した。(共同)

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