宇都宮市と芳賀町が整備を進める次世代型路面電車(LRT)が昨年11月の試運転中にJR宇都宮駅東口付近で脱線した事故で、市は2日、脱線事故対策の検証結果と今後の取り組みを公表した。佐藤栄一(さとうえいいち)市長は対策工事後の試験走行で「事故発生区間を含む全線で走行安全性を確認した」と説明し、「多くの皆さまにLRTの開業イベントを楽しんでいただきたい」と述べ、8月26日の開業を正式に表明した。週明けから運輸開始認可申請など開業に向けた手続きを進める。

 鉄道事故の専門家らによる有識者会議の最終報告を踏まえ、佐藤市長ら市執行部が同日、市議会議員協議会で公表した。

 有識者会議は、事故後に現地調査した東京大生産技術研究所の須田義大(すだよしひろ)教授を委員長に鉄道事故の専門家ら4人で構成。脱線事故後、市は昨年12月から今年5月までに3回の有識者会議を開催。2月の中間報告書を受け、市は3月から安全対策工事を行っていた。

 また、市と芳賀町、運行会社の宇都宮ライトレールは同日午後、同市宮みらいのライトキューブ宇都宮で開業に関する共同記者会見を開く。