連覇を果たし西田監督を胴上げする香川ナイン=桃山野球場
独立リーグのグランドチャンピオンシップは28日、魚津市の桃山野球場で最終戦を行い、2勝2敗で迎えた香川オリーブガイナーズ(四国・九州アイランドリーグ)は、富山サンダーバーズ(BCリーグ)に延長十一回、3―2で逆転勝ち、2年連続日本一に輝いた。
▽魚津桃山(香川3勝2敗)
香川(IL)
000000011
000110000
01―3
00―2
富山(BCL)
(延長十一回)
▽二塁打 国本、若林、山内▽犠打 洋輔、笠井、優士、藤岡、川端▽盗塁 笠井2、丈武▽失策 国本2、山内2、優士、広田▽暴投 小山内▽与死球 木谷(生山)
▽試合時間 3時間20分
【評】執念の粘りだった。香川は延長十一回、二死から金井が三遊間安打。続く若林が変化球を右翼線に二塁打し、金井が一気に勝ち越しの本塁を踏んだ。
逆転につなげたのは七回から救援した松尾の力投に尽きる。七回に敵失から得点圏に走者を許したが、後続を断った。以降は速球、スライダーを効果的に使って1安打を許しただけ。すべて3人で仕留めた。
攻守のリズムは悪かった。四、五回に金子、橋本がそれぞれ1点を失った。それでも終盤、勝ちを急ぐ相手のミスにうまくつけ込んだ。八回、代打生山の死球から敵失で1点差。九回も敵失から国本、金井がしぶとい安打でつないで同点、何とか息を吹き返した。
最後は守備力の差
香川・西田真二監督の話 序盤は硬かった。ミスもあったが、選手はよくやった。よく声が出ていたし、終盤にチャンスが来ると思った。最後は守備力の差が出た。来年はドラフトが終わってから考える。
■ベテランと新戦力融合
霧雨の中、ぐっと冷え込んだ球場での3時間20分の決戦。地元富山の応援一色に染まった観客席から、ため息がもれた。「第4戦で負け投手になった。これ以上チームに迷惑をかけられない」。気迫の投球でマウンドを守った松尾を中心に歓喜の輪が高く広がった。
完全な負けペースだった。1番洋輔、4番智勝というレギュラーシーズンに戻した打線。四回、智勝の右飛で本塁を突いた三走笠井の好スライディングがアウトと判定され、流れを失った。
悪い展開を変えたのは肉離れで戦列を離脱していた生山。まだ復調段階ながら八回、先頭の代打として「何としても塁に出たかった」。2―2から痛めている右足に死球を受け、我慢しながら平然と一塁へ走る後ろ姿にナインは奮い立った。
1点差にした後の九回、智勝の遊ゴロ失から金井が同点の遊撃内野安打。17打席ぶりの安打に「楽になった」。延長十一回、二死から三遊間を破り、逆転劇のお膳立てをつくった。続く若林は「つなごうとしただけ。真っすぐを待っていたが、外のカーブに体が反応した」。右翼線にうまく流し打ち、金井が間一髪でタッチをかいくぐって決勝点を奪い取った。
足踏みをしたものの、何とか独立リーグ日本一の座を守ったナイン。ベテランと新戦力が見事に融合、北陸の地で新境地にたどり着いたようだ。