後期優勝を決め、ナインに胴上げされる香川OGの芦沢真矢監督=坊っちゃんスタジアム
四国アイランドリーグは24日、松山市の坊っちゃんスタジアムほかで2カード2試合を行い、後期優勝へのマジックナンバー「1」としていた香川オリーブガイナーズが愛媛マンダリンパイレーツに6―0で快勝し、初の頂点に立った。
2位の高知ファイティングドッグスは徳島インディゴソックスに5―5で引き分け。この結果、香川OGは残り4試合を全敗しても27勝4分け14敗で勝率6割5分9厘。高知FDが残り5試合を全勝しても27勝3分け15敗の勝率6割4分3厘で香川OGの勝率を上回れない。香川OGはリーグ年間王座をかけ、前期優勝の高知FDとのチャンピオンシップ(10月)に臨む。
香川OGは一回、先頭の近藤智が左翼席にソロ本塁打、勢いに乗った。四回は三輪、東山の連続適時打などで一挙4点。先発伊藤は気迫の投球で4安打、8三振で完封した。
同リーグは今季から2シーズン制を導入。チャンピオンシップはホームアンドアウエー方式の5回戦で争われ、先に3勝したチームが優勝となる。
チャンピオンシップの日程は次の通り。
▽10月5日(18時・オリーブ)▽7日(13時・高知市東部)▽8日(13時・高知市東部)▽14日(18時・オリーブ)▽15日(18時・オリーブ)
Vは通過点「目標はプロ」
歓喜の渦の中で芦沢監督が高々と宙を舞った。リーグ発足2年目。初めての胴上げに「素直にうれしい。地元でないのが非常に残念だけど、本当にありがとうございました」。まずは愛媛県まで応援に駆け付けてくれた観客席のファンにあいさつ。感謝の気持ちを伝え、喜びを分かち合った。
前期は安定した投手陣を擁しながら、終盤に打線が息切れして2位。だが、後期は投打がかみ合い、開幕した7月から首位を独走した。芦沢監督は「実力選手の加入でチーム内の競争が激しくなった。それがいい結果につながった」と勝因を挙げた。
5月に入団した捕手の堂上が起爆剤の一人。打率3割2分6厘、本塁打11本はリーグトップ。攻撃と投手のリード両面でチームを引っ張った。「結果にこだわってきただけにうれしい。でも最終目標はNPB(日本プロ野球組織)入り。まだまだアピールしたい」と堂上。プロを目指す質の高い意識は他の選手を大いに刺激した。
投手では、安定した伊藤、松尾に加え、左腕深沢が成長。リーグ1位の防御率0・93を誇り、何度も勝利に貢献した。
それでも芦沢監督は「きょうの優勝はほんの通過点に過ぎない」とナインにくぎを刺す。チャンピオンシップを経てシーズンは閉幕するが、NPBで通用する選手の育成、輩出という目標は変わらない。リーグ全体を盛り上げるためにも、選手にさらなる飛躍を期待した。