関係者の話を総合すると試合前、試合後も特打を行うなど、徹底した練習量で選手を鍛える1軍の方針と、選手の自主性を重んじる掛布2軍監督との考え方に昨季終盤から隔たりがあったという。1軍が強化の柱にしているウエートトレーニングについても認識の差があった。
DC時代から指導を受ける中谷が今季19本塁打を放ち、2軍スタートだったD1位大山が4番を務めるまでに成長。一番弟子の伊藤隼はこの日のDeNA戦(甲子園)で九回、プロ初のサヨナラ打を放った。成果は多々あり、チーム全体としては一定の底上げに成功したが、ウエスタン・リーグは今季48勝55敗8分けの最下位。来季優勝するためには、今季不振の藤浪、高山、原口、北條らをもう一度鍛え上げる必要があり、球団は単年契約の終了のタイミングで2軍体制の見直しを決めた。
掛布2軍監督は鳴尾浜で取材に応じ「若手が1軍で活躍してくれたり、非常に充実した4年間だったと思いますね」と話した。DC時代を含めた4年間の情熱的な指導を評価する球団からは、坂井オーナー付アドバイザーというポストを準備していることを伝えられた。フロント入りについては「はっきりとまだ聞いていないので」と態度を明らかにせず、熟考した上で返答することを明かした。