PR

ニュース プレミアム

姿消すあの日「青」だった信号機 信楽高原鉄道事故30年

 事故を語る場所のひとつといえる小野谷信号場。事故以来、使用されることはなく、老朽化に伴う撤去が平成29年度から進んでいる。SKRの鉄道施設を保有する甲賀市によると、線路を分岐させるポイント撤去から始まり、レール、枕木はすでになく、今年度の信号機の撤去で工事完了。JR西の列車に青を示した信号も含まれている。30年度には信号場廃止の運輸局の届け出が済んでいる。貴生川駅にあったJRからSKRに乗り入れる渡り線もすでになくなっている。

 事故当日、貴生川駅でJR列車を見送った人の話を聞いたことがある。JR列車と信号場ですれ違っているはずのSKR列車がやってこない。さわやかな新緑、そして快晴の空に黒い雲が立ち込めるような感覚だっただろう。記者1年生だった自分も当時、滋賀県の大津支局にいた。県警本部に詰めていると、事故の一報はすぐだった。最初は「脱線」、次に「転落」、そして「正面衝突」に変わった。足が震えた。

 今年もやきものの里には新緑の季節がやってきた。鉄道の運行は「安全」が最優先事項であるという思いは、30年前のあの日から変わらない。(鮫島敬三)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ