フード 食・名店

東京「亀戸餃子」 餃子一品商い六十余年

【フード 食・名店】東京「亀戸餃子」 餃子一品商い六十余年
【フード 食・名店】東京「亀戸餃子」 餃子一品商い六十余年
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 東京都江東区の下町で焼きギョーザ(餃子)だけを出し続けて六十余年の老舗「亀戸(かめいど)餃子本店」。カリッと焼いた茶色の皮と、しっとりとした具の味わい、そして昭和30年代の懐かしい雰囲気を求めて、今日も店の前の行列が途切れない。(牛田久美)

 ◆週末は1万8千個も

 席に座ると、ひと皿目がすっと差し出される。

 焼きたての餃子が5つ。残り1〜2個になると2皿目が出て、皿を重ねるわんこそば方式。以降は希望に合わせて運ばれてくる。

 「小腹がすいたと立ち寄る人も満足。しっかりと食事に来た人も大満足」。店長、石井清さん(68)は学生時代から焼き続けて50年の大ベテラン。平日は約130箱(約7800個)以上、週末は230〜300箱もの餃子を焼く。毎日、売り切った時点で営業終了だ。

 小上がりに4卓とカウンター9〜10席程度の小さな店を10人前後で切り盛りするが、菅原道真をまつった亀戸天神社の祭りともなると、行列は表通りまで延び、従業員も総出となる。

 ◆乳幼児も食べられる

 昭和30年、石井さんの父、房次郎さんが創業。時代は白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の三種の神器の普及が始まり、皇太子殿下(当時)のご成婚や東京五輪・パラリンピックで活気にあふれた。高度経済成長期が到来したが「餃子はまだ珍しかった」という。

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