鳩山元首相も誤情報認め謝罪 ツイッター新機能「コミュニティノート」が話題

ツイッターのロゴ=2022年11月(ロイター=共同)
ツイッターのロゴ=2022年11月(ロイター=共同)

米ツイッター社が6日から日本で本格的に提供を開始した機能「コミュニティノート」が話題を集めている。誤解を招く可能性があるツイートをユーザーが正確な情報を入手するのに役立つ背景情報を追加する機能で、12日には鳩山由紀夫元首相がコミュニティーノートの指摘で自身のツイートの誤りを認めて謝罪する事態も起きている。

鳩山氏は9日に「近々NATO首脳会議が開かれるが、ゼレンスキー大統領はNATO軍にロシアに対して核攻撃をして欲しいと要請している。そんなことをしたら、ロシアが核で反撃することは間違いなく、全面的な核戦争で人類が滅びてしまいかねない。NATOがゼレンスキー大統領の要望を受け入れないことを切に望む」と投稿。このツイートに対し、コミュニティーノートが鳩山氏がその主張の根拠とした動画について、「誤った英語字幕がつけられた動画である」などと指摘。鳩山氏はこれを受けてツイートで12日、「ウクライナ語がわからず日本語訳を信じてゼレンスキーがNATOにロシアへの核攻撃を要請と書いたが、事実を確認できずお詫びして撤回する」と誤りを認め、謝罪した。

デマツイートへの効果は

コミュニティノートは、違反歴がないなどといった条件を満たしたツイッターユーザーが「協力者」として、コミュニティノートの評価や作成をすることができる。コミュニティノートがツイートに表示されるためには、「役に立った」または「役に立たなかった」などと評価した協力者の人数のほか、ノートを評価した協力者が多様な視点に基づいていると思われるかどうかも考慮されているという。

ツイッターについては、イーロン・マスク氏の買収以降、閲覧制限などに批判が相次いでいたが、コミュニティノートについては評価する声も多い。計算社会科学が専門で、ソーシャルメディアの分析なども行う東京大の鳥海不二夫教授は、「誤った情報に対し、異議を唱えても埋もれがちだったが、ユーザーに目に触れやすい形になったのは意義がある」として取り組みを評価。平成28年の熊本地震で「ライオンが逃げた」とのツイートが拡散したことがあったが、災害など混乱時でのデマツイートにも一定の効果が期待できると指摘する。

課題については、「自分と反するイデオロギーに対する『補足合戦』が起きる可能性もある」と指摘。さらに、情報に誤りのあるコミュニティーノートが表示されてしまうことへの懸念については、「ノートの内容についても鵜呑(うの)みにせず、他の視点もあるということを知ったうえで判断していくことが重要」と強調している。(本江希望)

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