ガーシー氏、除名で歳費一部返還 会派は解消 前議員記章は不交付

政治家女子48党のガーシー参院議員
政治家女子48党のガーシー参院議員

昨年7月の参院選で初当選した後、国会に一度も登院しなかった政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員が15日の参院本会議で「除名」処分となる見通しとなった。ガーシー氏が除名されれば、政女党の今後の国会活動にも影響が出そうだ。

「国会議員は登院の義務があり、国会に出ないで身勝手な発言をしても通用しない」。参院懲罰委員会の鈴木宗男委員長は14日、政女党の浜田聡政調会長が懲罰委で述べたガーシー氏の弁明について、国会内で記者団にこう述べた。

ガーシー氏に対しては、参院議員の任期が始まった昨年7月26日以降、議員歳費や期末手当などこれまでに計2013万1590円が支給された。今年3月10日には3月分の歳費129万4千円と、調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)50万円が支払われた(同費は月額100万円を10日と月末の2回に分けて支給)。15日の本会議で除名が決まれば、ガーシー氏は10日に支給された歳費などのうち、16日以降の日割り分として計68万4001円の返納を求められる。

一方、政女党はガーシー氏の除名に伴い、国会活動が限定的になる可能性がある。参院本会議で15日に尾辻秀久議長が除名を「宣告」した段階で、ガーシー氏が所属する参院の「会派」も解消となるためだ。国会法は会派について「2人以上の議員を要する」と規定している。現在、同党は浜田氏とガーシー氏の2人で会派を構成しており、ガーシー氏の除名後は要件を満たせなくなる。

これに伴い、国会審議の〝花形〟である予算委員会での質疑はできなくなる。予算委員会の委員や質疑時間は会派の勢力にあわせて配分される。浜田氏は現在、予算委員会に所属し、「共産党の非合法化も選択肢の一つ」(6日の予算委)など持論を展開してきたが、ガーシー氏の除名後は予算委での質疑ができず、発信の機会が減りそうだ。

また、参院議院運営委員会は14日の理事会で、引退議員などを対象に交付する「前議員記章」(前議員バッジ)をガーシー氏に対しては交付しないことを申し合わせた。前議員バッジがあれば議員を辞めた後も国会に出入りできるが、自民党の世耕弘成参院幹事長は「登院をしなかった人が除名後に国会内に立ち入るのは矛盾している」として議運委の判断を支持した。(児玉佳子、野村憲正)

ガーシー氏除名へ 15日正式決定 7カ月半で議員資格喪失

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